小売り大手ウォルマートが食品業界横断でブロックチェーンをお試し中。日本でもサプライチェーンでの取引台帳などに期待されており、次の2年で採用が広がる可能性があるという。何がうまみなのか。
日本IBMはブロックチェーンを使ったネットワークシステムの構築および運用のためのマネージドプラットフォームである「Blockchain Platform」の提供を2017年10月から開始する。
Blockchain Platformは、Linux Foundationの下でオープンソースソフトウェアとして開発されているブロックチェーン実装の1つである「Hyperledger Fabric 1.0」をベースにしたPaaSであり、IBM Cloudのフルマネージドサービスとして提供される。PaaSのバックエンドには、「Secure Service Container」機能などのセキュリティ機能を実装したメインフレーム機「z Systems」と、z Systems専用のLinux OSである「LinuxONE」を採用する。
IBM Blockchain Platformでは、いままで「IBM Blockchain β」として提供してきたブロックチェーン実装の基本要素である「分散台帳」「スマートコントラクト」「合意形成」や「暗号技術」に加え、アプリケーション開発環境「Hyperledger Composer」や「コンソーシアム型のブロックチェーンネットワークの形成と運営を支援するツール群」を含む。
実証実験向けの「エントリー・プラン」は実証実験向けで、1時間あたり52.5円程度で利用できる。複数メンバーによるコンソーシアム運用などの機能は含まれない。
本番業務向け「エンタープライズ・プラン」では、コンセンサスやオーダリングなどの機能を含むコンソーシアム型のブロックチェーンネットワーク管理ができる。ピア課金とメンバー単位の基本料金が必要だが、およその目安として、シングルテナントでの利用ならばトータルで1カ月あたり30万円程度だという。
この他、より高い性能要件やセキュリティ要件に対応する規制業種向けの「エンタープライズ・プラス・プラン」も2017年中のリリースを予定している(価格は未定)。ブロックチェーンは、分散処理や暗号化などの技術を利用することで、低コストでトレーサビリティーを保ちながら、データの改ざんを防止できる。こうした特性は金融取引以外でも有効だ。
Hyperledger Projectの成果をビジネスに生かそうという考えは、日立製作所や富士通などの日本企業でも盛んだが、日本IBMとしては、グローバルでの導入実績を基に、アセットやノウハウを活用して短期間で構築できる点、バックエンドにハイエンドミッションクリティカル系システムでの実績が多いz Systemsを使い、セキュリティを強化した独自のLinux環境が利用できる点などを強みとしていく考えだ。
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