同社の最初の注力領域は上記3つだが、実際には他の業界からの問い合わせも多いようだ。
日本IBM執行役員サーバー・システム事業部長 浅海孝氏は「トレーサビリティーが求められる業界であればブロックチェーンの特性が生きる」として、食品や組み立て加工系の製造業における部材およびソフトウェア管理でも有効であると語る。
ブロックチェーン技術は、Hyperledgerプロジェクトの開発が進展したことで、ようやく仮想通貨ブームの影響を脱し、多様な業界で具体的な導入検証が進展している段階といえる。
このように新しい技術を展開する際には、実証実験やPoCに取り組むにせよ、本稼働を目指した開発を進めるにせよ、実装をになう技術者がどれだけそろっているかが課題だ。
これについて、鶴田氏は、「大手を含め、関心のある開発パートナーは多く、現在は技術者の育成を進めている段階」と説明する。技術者コミュニティーではブロックチェーン特有のデザインパターンなどの情報交換を進め、知見を広めているという。
同社では前述の通り、コンソーシアム型のブロックチェーンプラットフォームをPaaSで提供、検証環境の立ち上げから実運用までを効率よく展開できる環境を低価格で提供することに加え、同プラットフォームの技術者を育成していくことで、「2020年には国内ブロックチェーン市場の半分程度のシェアを目指す」(鶴田氏)としている。
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