業務効率化を目的に企業で利用が進んでいる「Copiloto for Microsoft 365」。導入効果が期待される一方で、課題も多い。
「Microsoft 365」のOfficeアプリケーション(「Word」「Excel」「PowerPoint」「Outlook」「Teams」「OneDrive」など)向けの生成AIアドオンサービス「Copilot for Microsoft 365」。急速に導入が進む一方で、活用や定着を阻害する課題もある。
企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するギブリーは、Copilot for Microsoft 365の活用状況と導入後の課題、企業が必要としている支援などを明らかにするために調査を実施した(調査期間:2024年4月7〜20日、回答件数:244件)。その結果から、導入後の課題となりやすいポイントを紹介する。
Copilot for Microsoft 365を活用するOfficeアプリケーションを尋ねた設問では「Teams」とした回答者が約半数を占め、会議の議事録や要約、作成を目的とした利用が中心であることが分かった。
「PowerPoint」(48.3%)や「Excel」(46.9%)も半数に迫る結果となった。1つのアプリケーションや機能にとどまらず、業務全体における生産性向上を目的としていることが考えられる。今後、Copilotの活用を期待するアプリケーションはPowerPointやExcelが挙げられ、Teamsは6割弱にとどまった。
次に活用を進める上で「懸念されること」を尋ねた項目を見ると、回答の正確性以外にも不安要素があることが分かった。
「生成されたコンテンツの正確性や品質」(51.3%)の次に回答が集まったのが、「活用ユースケース不足」(48.7%)と「社内のAI活用スキル・リテラシー不足」(48.0%)だ。
Copilotに期待や関心が高まる一方でナレッジ不足が深刻な課題であることがうかがえる。Copilotを活用した業務効率化を進めるには、これらの課題への対策も同時に準備しておく必要がある。
Copilot活用は効率化したい業務の洗い出しから始まり、どのようなプロセスを経て目的を達成するかというビジョンを描く必要がある。Copilotを活用する上で必要な支援を尋ねた項目では多くの企業が「活用シナリオ」(63.2%)を求めていることが分かった。
また、半数超が自社の従業員に相応のITリテラシーやITスキルを求めている。Copilotを基礎から理解し、全社規模での活用を進めるには従業員への教育機会を増やすことも課題となる。
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