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発生する電車遅延、乗客からの問い合わせ殺到……東急電鉄の遅延トラブル対処にBoxが採用された理由(4/4 ページ)

電車の遅延トラブルに頭を抱えた経験のある人は多いだろう。しかしその裏で同じように駅係員も頭を抱えていた! そんな東急電鉄がトラブル時の対処法を刷新、そこに採用されたのは、何と「Box」だった……。

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トラブル以外の局面でも情報共有が進行。働き方改革にも役立った

 Boxの導入は、思わぬ副産物ももたらした。現場に直接関わりのない部門でも活用が進んだ結果、日常業務での情報共有がスムーズになったのだ。

 「会議の議事録は、Box Notesに会議中に記録する方法に切り替えました。以前は1人の議事録担当者が会議終了後に議事録をまとめていたのですが、現在は参加者がそれぞれ書き込み、会議終了と同時に議事録が完成するように。議事録作成の工数を減らすことができましたし、議事録の共有も簡単になりました」(矢澤氏)

 また、会議資料や議題を会議前にBoxにアップロード、参加者メンバー全員に共有するようにした。その結果、資料を印刷する時間やコストの削減につながった。Box+iOS端末の導入後、部署によっては印刷した紙の量が42%も減少した。

 外出先で仕事をすることも容易になった。以前は、現場に足を運んで仕事をしようとしたら、重いノートPCを持ち込むしかなかった。また、移動時間に仕事をすることも難しかったため、移動時間が無駄になってしまうのも難点だった。そのため、本社勤務のスタッフの中には、ついつい現場から足が遠のく人も少なくなかったという。しかし、iPadなら持ち運びが楽だ。さらに資料をBoxに保管しておけば、移動中の電車内で確認し、細切れ時間を有効活用することができる。それが労働時間の有効活用をもたらし、ワークスタイル改革にも一役買っているのだ。

唯一、懸念点としてセキュリティが残っているという。「Boxそのものは安全性の高い環境で、外部からの攻撃に対しては強いと感じます。ただ当社では、千数百人もの従業員がBox上の情報を自由に閲覧できる状況にしています。『機密度の高い資料は保管しない』『一定期間を過ぎたら、ファイルを削除する』などのルールを設け、性善説にのっとって運用している状況です」(矢澤氏)

 矢澤氏は、今後トラブル対応のスピードをもっと高めるため、社外の協力会社などにもBoxを共同利用し、情報共有をさらに進めたいと検討中だ。「その際、情報漏えいのリスクを最小限に抑えるため、アクセスログの記録や、ファイル漏えい時の追跡機能などの仕組みを取り入れられないかと考えているところです」(矢澤氏)

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