アナリストが警告 日本のAI活用が今のままでは“まずい”ワケ(1/2 ページ)
年々拡大を見せるAI市場。IDC Japanによると、2022年にはグローバルで792億ドル規模の市場になると見込む。同社は、国内のAI市場も右肩上がりになるだろうと見ているが、不安要素があるという。
RPA(Robotic Process Automation)と並ぶ技術トレンドであるAI(人工知能)。「当社でもAIを使って何かやるぞ」と意気込む企業も少なくないだろう。IDC Japanによると、国内AIシステム市場は2018年の532億円から2022年には3578億円にまで拡大すると予測する。その成長率は2018年と比較し、約6.7倍だ。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーを務める飯坂暢子氏は「デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現し、組織が生き残るためには、AIをいかに活用するかが鍵となる。一方で、クリアしなければならない課題がある」「現在のAI活用の傾向を見ると、国内と国外で大きなギャップがある」と説明した。ガラパゴス化したAI活用にならないためにも、日本企業がいま考えるべきことは何か。
AIの利用は増加傾向、問題は「AIでどうしたいか」
飯坂氏はIDC Japanが2019年2月に実施したAIシステムの利用動向に関する調査結果を発表した。国内企業を対象に、システムの利用状況や課題、AIの利用目的などについて調査したものだ。
まず、AIシステムの利用状況を見てみると、2018年に実施した同調査と比較して「導入に向けて調査」と回答した割合が減少し、「全社的に利用」「事業部門で利用」と回答した割合が増加した。「社内で広くPoC(実証実験)」とした層は、2018年と比べ2.4ポイント増加した。調査フェーズから利用フェーズへと移行した割合が増え、AIの利用は全体的に一定の広がりを見せているようだ。
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