「PC」シェア(2019年第3四半期)
IDC Japanは、2019年第3四半期のPC出荷台数を発表した。第2四半期に続き好調が続く中、前期と比べるとわずかに市場占有率を落とした“1社負け”のベンダーがあった。
IDC Japanによると、国内におけるトラディショナルPCの出荷台数は、法人市場が前年同期比83.4%増の361万台、家庭市場は同比38.1%増の119万台、両市場合わせて同比69.7%増の480万台となった。市場全体でみると、2019年第3四半期は2014年第1四半期(1月〜3月)に次ぐ記録的な出荷数を示す結果となった。
2019年第3四半期で最も大きな成長を遂げたベンダーは?
法人市場については、IDCがトラッキングを開始して以来の最大の出荷数だ。2020年1月に予定されている「Windows 7」の延長サポートの終了に備えて「Windows 10」搭載PCへの切り替え需要が爆発的に増加した。「Windows XP」の延長サポート終了時(2014年4月)は、終了前後の2四半期に出荷が集中したが、「今回は需要の前倒しが進んでいる」とIDCは現状を推測する。大企業ではWindows 10への移行プロジェクトがほぼ終息フェーズに突入する一方で、中堅・中小企業では今後も盛り上がりが継続すると予測する。
市場占有率(出荷台数ベース)を見ると、1位のベンダーは42.4%に達しました。法人市場が前年同期比68.0%増、家庭市場が同比42.8%増と両市場ともに好調のようだ。次いで2位は17.1%、3位は15.3%、4位は8.7%、5位は4.3%と続いた。
2位のベンダーは、法人市場は前年同期比98.0%増、家庭市場は同比55.8%増と上位5社の中でも目立った伸びを示したが、2019年第二四半期と比較すると、わずかにポイントを落とした。3位のベンダーは、法人市場が前年同期比119.5%増、家庭市場が同比50.7%増と、法人市場と家庭市場を合計すると、トップ5の中で最も高い成長率を記録した。法人市場向けバックオーダーが前四半期からたまっており、相当のバックオーダーが当該四半期に出荷されたと推測される。
4位のベンダーは、法人市場は前年同期比100.3%増、家庭市場は同比51.9%増となった。Intel製CPUの供給不足問題が続く中、大健闘した結果となった。
IDC Japanの市川和子氏(PC,携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャー)は「2019年第3四半期は歴史的な高水準を記録する四半期となった。Windows 7の残存数を考慮すると、アップグレード対応やWindows 7として残り続けるケースがあるとしても、2020年第1四半期まではかなり順調に推移するであろう」とコメントする。
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