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「テレワーク導入の助成金・補助金制度」まとめ 新型コロナウイルス対応、社内の電話はどうする?

新型コロナウイルス感染症対策として、行政や地方自治体が臨時で「テレワーク導入の助成金制度」を実施しています。今回は、コストを抑えながらテレワークに取り組むために、厚生労働省と東京都の助成金制度について解説します。本記事は「BIZTEL ブログ」の記事を元に編集・再構成しています。

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 新型コロナウイルスによる社会情勢の変化により、多くの企業がテレワークの導入を検討しています。そんな中、行政機関や地方自治体が、臨時で「テレワーク導入の助成金制度」を実施していることをご存じでしょうか。こうした制度を利用すれば、コストを抑えながらテレワークを始めるためのツール、システムを整備することができます。

 今回は、2020年4月14日現在で申込受付をしている以下の2つの制度についてまとめました。

  • 【厚生労働省】時間外労働等改善助成金(テレワークの特例コース)
  • 【東京都】事業継続緊急対策(テレワーク)助成金

著者紹介:坂元 剛(さかもと・つよし)株式会社リンク取締役 BIZTEL事業部長

 インターネットシステムに関する開発業務からキャリアをスタート。監視システムや多数のWebシステム等の構築の知見を生かして、今まで誰もトライしてこなかったPBXをインターネットサーバに載せるという「BIZTEL」サービスを立ち上げ。データ通信および音声通信のソリューション提供まで幅広い経験をもとに「BIZTEL」の成長を支える。


 それでは、それぞれ制度の内容を見ていきましょう。

【厚生労働省】時間外労働等改善助成金(テレワークの特例コース)

 制度対象となる取り組みは以下です。

  • テレワーク用通信機器の導入・運用

 (PC、タブレット、スマートフォンの購入費用は対象となりません)

  • 就業規則・労使協定等の作成・変更
  • 労務管理担当者に対する研修
  • 労働者に対する研修、周知・啓発
  • 外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング

助成金の使用対象となる費用の例

  • Web会議用機器
  • 社内のPCを遠隔操作するための機器、ソフトウェア
  • 保守サポートの導入
  • クラウドサービスの導入
  • サテライトオフィス等の利用料 など

 支給額は、1企業当たりの上限額100万円で補助率は50%です。対象となるのは、新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新規で導入する中小企業事業主です。試行的に導入している事業主も対象になります。

対象となる中小企業事業主とは

 全業種共通で労働者災害補償保険の適用中小企業事業主であること。

 業種別で見ると、以下になります。

  • 小売業(飲食店を含む):資本または出資額5000万円以下、常時雇用の労働者50人以下
  • サービス業:資本または出資額5000万円以下、常時雇用の労働者100人以下
  • 卸売業:資本または出資額 1億円以下、常時雇用の労働者100人以下
  • その他の業種:資本または出資額 3億円以下、常時雇用の労働者300人以下

 本制度を使ってテレワーク導入を実施する場合、期間は2020年2月17日〜同年5月31日が対象です。申込受付期間は同年3月9日〜同年5月29日まで。

 その他、制度利用に必要な要件として、事業実施期間中に「助成対象の取組を行うこと」「テレワークを実施した労働者が1人以上いること」が挙げられます。申請方法・制度の詳細は、厚生労働省のHPをご覧ください。

【東京都】事業継続緊急対策(テレワーク)助成金

 次に紹介する制度は、東京都に本社または事業所がある事業者が対象です。

 制度対象となる取り組みは以下の通り。

  • 機器等の購入費
  • 機器の設置・設定費
  • 保守委託等の業務委託料
  • 導入機器等の導入時運用サポート費
  • 機器のリース料
  • クラウドサービス等ツール利用料

 助成金の使用対象となる費用の例は以下になります。

  • PC・タブレット
  • VPNルーター
  • VPNルーター等、機器の設置・設定作業費
  • 機器の保守費用
  • 導入機器等の操作説明マニュアル作成費
  • PC等リース料
  • コミュニケーションツール使用料

 支給額は、250万円を限度に補助率は100%となっています。

 対象事業主は以下になります。

  • 常時雇用する労働者が2人以上999人以下
  • 東京都内に本社または事業所を置く中堅・中小企業・個人事業主等
  • 東京都が実施する「2020TDM推進プロジェクト」への参加が要件

 詳細な対象条件はこちらの東京しごと財団「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金 募集要項」(PDF)を申請前にご確認ください。

 申込受付期間は2020年3月6日〜同年5月12日になっています。その他、制度利用に必要な要件として支給決定通知日以降、同年の6月30日までに取組が完了していなければなりません。

 申請方法・制度の詳細は、東京しごと財団のHPをご覧ください。

 

テレワーク導入で「電話」はどうすればいい?

 ここからは具体的にテレワークを実施する上での方策をご紹介します。多くの場合、テレワークのやり方として、ノートPCを自宅に持ち帰り、社内の連絡はメールやチャットですることになるでしょう。しかし、それだけではスムーズにいかないのが、テレワークの難しいところです。

 オフィスに当たり前に存在し毎日使っているのに、テレワークになった途端、突然抜け落ちてしまうもの、それが電話です。「オフィスにかかってくる電話を在宅でも受けられるようにする」「担当部署に電話を取り次ぐ時に、通話料が発生しないよう内線で転送できるようにする」――、テレワーク時でも顧客や同僚とのコミュニケーションの質と量を維持するためにはこういった環境整備は必須です。企業に設置されているコールセンターも同様の課題を抱えていることでしょう。では、どうすれば良いのでしょうか。

 テレワークの導入をスムーズにするための電話に関するサービスについて紹介します。

クラウドPBX

 クラウドPBXは、構内に置いていたPBX(Private Branch eXchange:構内交換機)をクラウド化することができるサービスです。従来のオンプレミス型PBXと同等の機能がインターネット経由で提供されるため、通常のオフィスやコールセンターのように、在宅勤務拠点同士を内線化することができます。

 また、電話回線施設・内線工事が不要のため、設備関連の手間やコストを大幅にカットできることも特長です。

クラウドCTI

 PCと電話を組み合わせたさまざまな機能が利用できるクラウドサービスです。PCの画面上に表示される電話機「ソフトフォン」が使える他、通話録音や着信振り分け機能(コールセンターにかかってきた電話をオペレーターに均等に分配したり、特定のオペレーターに優先して分配したりすることができる機能)、稼働状況モニタリング(センターの入電状況や各オペレーターの勤務ステータスを把握できる機能)など、コールセンター業務の効率アップに役立つ多彩な機能が使えます。さらに、初期費用の安さや納期の短さもクラウドサービスならではの強みです。

 クラウドPBXとクラウドCTIは、いずれもこの記事で紹介した助成金制度の対象となるサービスです。特に、クラウドCTIで利用できる「ソフトフォン」はPCとヘッドセットがあれば利用できるため、在宅勤務者に対して簡単に社用電話端末を支給することができます。

 本記事では、2020年4月時点で実施中の「テレワーク導入の助成金制度」について紹介しました。テレワークの導入の際はこうした制度を活用し、業務の品質・効率性を保つためのツールを併せて導入してみてはいかがでしょうか。

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