チャットbotが1on1を代行も Teams組み込み型人事管理システムとは
テレワークによって見えなくなってしまった情報を現場のマネジャーが苦労して吸い上げていないだろうか。システムで補えば、工数を増やさずに情報を取得し、業務全体の生産性を上げられる。その方法とは。
テレワークを導入した企業に共通する課題が、コミュニケーションの減少だ。対面であれば自然と共有できていた情報の取得が困難になっている。
それを補うためには、よりこまめなミーティングな1on1などを実施して、メンバーのフォローや情報の吸い上げをする必要がある。しかし、現場のマネジャーの負荷が大きく、リモートに最適化できていないシステムを人間の努力で補っている例が一般化している。
現場の負荷を増やさずに情報を取得し、マネジャーやチームメンバーに適切に割り振って業務全体の生産性を上げるシステムがある。
Microsoft Teamsを利用して「誰が何を知っているか」を把握
例えばテレワークによって管理者の工数やコストが増加するような場合、管理者とデータ入力者のどちらの負荷も増やさずに利用でき、状況把握やフォローができるようなシステムが必要だ。
その需要に応えて東大発のHRTechベンチャーであるKBEが2021年3月4日、クラウド型人事管理システム「researcHR」の「Microsoft Teams」(以下、Teams)版の提供を開始すると発表した。Teams上のチャットbotを使って人事管理システムが必要とする情報を収集する。従業員は他の人事管理システムなどにログインすることなく、チャットに返答するだけで必要な入力が完結する。登録内容は人事の基礎情報の他、週次の業務報告なども含まれる。
人事情報の検索もTeamsから利用できる。自然言語を使った「あいまい検索」も可能なため、必要なスキルを文章で入力すると該当する従業員をリストアップするといった機能が利用できる。
researcHR for Microsoft TeamsはTeams上で機能が完結し、利用に際してresearcHRへのログインは不要だ。利用者に対してシステムが定期的に情報の更新を促すため、導入したシステムが定着しない原因である「結局誰も利用しない」といったことがないという。
価格は、月額7万5000円から(税抜)。ほぼすべての機能を無料で試用できる30日間のトライアルコースも提供する。
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