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ワークスと連携するERPベンダーIFS グローバルでも業務提携、事業買収を進める

ワークスアプリケーションズと戦略的業務提携を締結したIFSは、グローバルでも業務提携、事業買収を進めており、着実にラインアップを拡充している。IFSの基本と事業戦略の一部を紹介する。

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 グローバルで製造業の顧客を多く抱えるERPベンダーであるIFSは2024年7月10日、国内ERPベンダーのワークスアプリケーションズと戦略的業務提携を締結した。IFSは「ワークスアプリケーションズとは同じERPベンダーだが、互いのの強みは補完関係にある」と考えたという。

 IFSはグローバルでも業務提携、事業買収を進めており、着実にラインアップを拡充している。IFSの基本と事業戦略の一部を紹介する。

コンポーザブルERP化を進めるIFSの戦略

 IFSは、クラウドとオンプレミスの両方で、業界向けのERP、企業資産管理(EAM)、フィールドサービス管理(FSM)アプリケーションを提供している。IFSは、2023年に業界特化型のAIプロバイダーであるFalkonry、2023年にコネクテッドワーカー・プラットフォームのプロバイダーであるPoka、2022年にEAMベンダーであるUltimo、2021年にエンタープライズ・サービスマネジメントのベンダーであるAxios Systemsなどの業界に特化したソフトウェア企業を買収し、資産管理アプリケーションのポートフォリオを着実に拡大している。

 同社は欧州をルーツとしていることもあり、欧州環境規制などのルールに標準で対応し、航空・宇宙、軍事などの産業別の業界ルールに対応した機能も標準で盛り込まれている。

 IFSはCopperleaf Technologiesを買収し、産業資産管理アプリケーションのラインアップを拡充した。

 Copperleaf Technologiesは、カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーに拠点を置き、製造業や公益事業などの企業物理における資産やデジタル資産に関する意思決定をAIで支援する資産投資計画および管理ソフトウェアを提供している。

 Copperleafの顧客は、One GasやManitoba Hydro、National Gridをはじめとする、電力や天然ガス、廃棄物管理、エネルギー、製薬、輸送などの業界で事業を展開している。同社によると、これらの顧客はCopperleafのソフトウェアを使用して、数兆ドルの産業資産を管理しているという。

 IFSは、トロント証券取引所で取引されているCopperleafの発行済み普通株式全てを1株当たり12カナダドルで取得し、評価総額は約10億カナダドル(7億2670万ドル)となる。

 この取引は株主と規制当局の承認を得る必要があり、2024年第3四半期に完了する予定だ。

リーズナブルなコストで適切な事業拡大

 調査企業であるConstellation Researchのレイ・ワン氏(アナリスト)は「IFSによるCopperleafの買収は、IFSのFSM能力を強化し、CopperleafのEAMの強みを引き出すものであり、これまでで最大の買収だ」と述べた。

 「販売後のサービスをデジタル化しようとしている組織は、サービスやメンテナンス収入におけるエンドツーエンドの能力を構築し、恩恵を得るだろう」(ワン氏)

 コンサルティング企業であるTechnology Evaluation Centersのプレドラグ・ヤコブレビッチ氏(業界アナリスト)は「Copperleafの買収は適正価格で、優れた買収だ」と述べた。

 「IFSは、EAMとFSMの顧客にCopperleafをクロスセルできる」(ヤコブレビッチ氏)

 IFSは2020年にカナダのブリティッシュコロンビア州を拠点とする公益事業に特化したFSMベンダーのClevestも買収しており、これは戦略面においてCopperleafの買収と一致している。

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