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業績好調の企業は「生成AI」をどの業務で使っている? 調査で判明CFO Dive

McKinseyによると、生成AIを効果的に活用している10社のうち7社が、データの管理と統合に関する課題に直面しているという。

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CFO Dive

 企業は生成AIにさまざまな恩恵を期待しているが、コスト削減や収益向上にはどの程度貢献しているのだろうか。

生成AIを効果的に活用する企業の特徴

 McKinseyによると、過去1年間で世界的に生成AIの導入が急激に増加したものの、生成AIを効果的に活用している企業でも、データの管理と統合に関する課題に直面する企業が70%に上るという。

 また、同じ業界でも、業績の高い企業と低い企業で生成AI活用の傾向が異なることが分かった。さっそく見てみよう。

 McKinseyが世界中の1363社を対象として実施した調査によると、少なくとも1つのビジネスにおける生成AIの使用率は、わずか10カ月の間に33%から65%に急増した。特に、マーケティングやセールス、製品およびサービスの開発で成果が出ているという(注1)。

 一方で、生成AIがEBIT(利払い前・税引前利益)に10%以上貢献したと評価する企業は、世界でわずか5.2%にすぎないという。

 McKinseyのアレックス・シングラ氏(シニアパートナー)は、「生成AIはもはや目新しいものではない。先進的な企業は、生成AIツールを現在の業務に組み込むだけでなく、生成AIやAIを分析に活用してワークフロー全体を再構築することに注力している」と声明で述べた。

 コンサルティング企業のCognizantによると、生成AIは2032年までに米国経済を最大で年間1兆ドル成長させ、生産性を3.5%改善する可能性がある。

 Cognizantは、経済調査会社のOxford Economicsと共同で1000の職種と1万8000の業務を分析してモデルを作成した。同調査によると、生成AIは業務の90%に影響を与え(注2)、そのうち52%は大きく影響を受けるという。

職種ごとに異なる「生成AI導入の影響」

 Cognizantによると、生成AIが与える影響は職種ごとに異なる。

 米国公認会計士協会(AICPA)によると、会計業界において小規模企業は効率性を高め、データ分析を強化し、人員不足の負荷を減らすことで大企業に対する競争力を高められる。

 AICPAは、CPA.comと共同で作成した報告書で次のように述べた(注3)。

 「生成AIは、インターネットやスマートフォンと同程度に画期的だ。普及速度ははるかに速く、使い勝手も優れている。この技術は、新しく優れたビジネスモデルを構築し、コストに見合った価値を実現する」

 McKinseyは「生成AIはコスト削減と収益向上に役立つ」と述べている。

 また、McKinseyによると、企業は生成AIを主にマーケティング戦略の支援やマーケティングのパーソナライズ化、見込み客の特定や優先順位付け、サービスや製品のデザイン作成、調査の見直し、シミュレーションやテストの迅速化に活用している。

 McKinseyの調査に回答した企業は、「サプライチェーンと在庫管理で5%以上の増収を達成した」と報告している。また、最大のコスト削減を達成したのは人事の領域だという。

 McKinseyによると、生成AIを適切に活用している企業はリスク管理やコンプライアンス、法務、戦略、企業財務、在庫やサプライチェーンの管理で生成AIを活用する傾向がある。

成果が出る企業、出ない企業 どこで差がつくのか?

 また、同じ業界の中で業績の低い企業と業績の高い企業を比較すると、会計書類の処理やリスク評価、販売促進、価格設定、研究開発に生成AIを活用する傾向が3倍以上高いという。

 企業は生成AIに関連する幾つかのリスクを認識しており、その中には不正確さやバイアス、データプライバシーの漏えい、知的財産権の侵害が含まれている。

 McKinseyによると、ハイパフォーマーと評価されている企業は、他の企業と比較して、サイバーセキュリティや個人のプライバシー、説明可能性、知的財産権の侵害などの生成AIによる負の影響を経験している傾向が高かった。

 ハイパフォーマーと評価されている企業の70%は、データガバナンスの確立やAIモデルへの迅速なデータ統合、十分なトレーニングデータの収集といった課題に直面している。

 McKinseyのブライス・ホール氏(アソシエイトパートナー)は、声明の中で「競争優位性は、ソリューションを幅広く革新し、大規模に展開および改善するための組織的かつ技術的な能力を構築することから生まれる。つまり、分散型デジタルとAIイノベーションに合わせてビジネスを再構築することが重要だ」と述べた。

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