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Excelリストのコピペから解放される Power Automateを使ったメール効率化術(3/4 ページ)

Power Automateは、Microsoft 365のサービス同士を連携させて自動化できることが強みですが、中でもExcelのリストを基にメールを送るというシナリオは特に効率化効果が強力です。設定方法を紹介します。

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3.フローの作成

3.1.任意のタイミングで実行するフローの設定

 では、フローの作成を始めましょう。

 まず、いつものように、Power Automateのページを開きます。

https://make.powerautomate.com/

 今回のようにリマインダーを送るシナリオの場合、フローのトリガー、つまり「どのタイミングでフローを実行させるのか?」については、大きく2つの方針が考えられます。

(1)任意のタイミングで実行する

(2)スケジュールを設定して自動的に実行する

 今回は、送信するタイミングをコントロールしやすいように、「(1)任意のタイミングで実行する」ものにします。

 任意のタイミングで実行するフローを作成する場合は、「作成」から「インスタント クラウド フロー」を選びます。


図4 インスタントクラウドフローの作成

 任意のフロー名を入れ、フローをトリガーする方法として「フローを自動でトリガーする」にチェックを入れて、「作成」をクリックします。


図5 トリガーの選択とフローの作成

 「フローを手動でトリガーする」のトリガーが設定された状態でフローの編集画面が開きます。


図6 フロー編集画面の初期状態

3.2.Excelリストの読み取り

 ここから、アクションを追加します。今回はまずExcelのリストを読み取ります。

 「フローを手動でトリガーする」のトリガーの下の「+」をクリックし「アクションの追加」をクリックします。


図7 アクションの追加

 「Excel」で検索し、「Excel Online (Business)」の「さらに表示」をクリックします。


図8 「Excel」のアクションを探す

 「表内に存在する行を一覧表示」を選択します。


図9 「表内に存在する行を一覧表示」アクションを選択

 アクションが追加されますので、必須項目を設定していきます。今回は以下のように「Microsoft OneDrive」(以下、OneDrive)を指定しますが、「Microsoft SharePoint」やTeamsに保存したExcelを同じように選ぶこともできます。

表4 「表内に存在する行を一覧表示」への設定項目
項目 設定値 備考
場所 OneDrive for Business
ドキュメント ライブラリ OneDrive  
ファイル /アンケート集計/新社内システム説明会.xlsx 「1. Excelのユーザーリストの準備」で確認したExcelリストのパスを指定
テーブル テーブル1  

図10 「表内に存在する行を一覧表示」の必須パラメーターを設定

3.3.追加のユーザー情報の読み取り

 Excelのデータを基にメールを作成したいのですが、本文で利用したい「ユーザーの姓」だけはExcelの中でデータを持っていません。

 そこで、前回も利用した、「Office 365 ユーザー」の「ユーザー プロフィールの取得(V2)」アクションを利用します。

 「表内に存在する行を一覧表示」のトリガーの下の「+」をクリックし「アクションの追加」をクリックします。


図11 「表内に存在する行を一覧表示」の後にアクションを追加

 「Office 365」で検索し、「Office 365 ユーザー」の「さらに表示」をクリックします。


図12 「Office 365 ユーザー」のアクションを探す

 「ユーザー プロフィールの取得 (V2)」を選択します。


図13 「ユーザー プロフィールの取得 (V2)」アクションの選択

 追加された「ユーザー プロフィールの取得 (V2)」を選択し、左側の「ユーザー(UPN)」をクリックすると、右側に稲妻マークが表示されますので、これをクリックします。

 (「正しくないパラメーター」のエラー表示はこの後設定をすると消えるので、今は気にしなくても大丈夫です)


図14 「ユーザー(UPN)」の稲妻マークをクリック

「表内に存在する行を一覧表示」の「メールアドレス」をクリックします。


図15 「ユーザー(UPN)」の設定

 すると、「ユーザー プロフィールの取得(V2)」が自動的に「For each」という囲いの中に入ります。これは繰り返し処理をするためのものです。

 Power Automateでは「表内に存在する行を一覧表示」のように複数の値に対してアクションを設定すると、自動的に繰り返し処理も設定されます。


図16 繰り返しの自動処理

3.4.メールの送付

 ここまでで、メールを送るために必要な情報は取得できました。最後に、メールを送るアクションを追加しましょう。

 「ユーザー プロフィールの取得(V2)」のトリガーの下の「+」をクリックし「アクションの追加」をクリックします。「For each」の中にも外にも「+」がありますが、今回は「For each」の中を選ぶ必要があります。


図17 「For each」の中で「アクションの追加」

 「outlook」で検索し、「Office 365 Outlook」の「メールの送信(V2)」をクリックします。

(もし表示されない場合は「さらに表示」をクリックして探してください)


図18 「メールの送信(V2)」を選択

 念のため、「メールの送信」が「For each」の枠の中に入っていることを確認します。


図19 「メールの送信(V2)」が「For each」の枠内に入った状態

 では、メールの送信に必要な設定をします。

 まず、メールの宛先ですが、これはExcelのリストの内容を元にします。「宛先」で一度「詳細モードに切り替える」をクリックしてから再度「宛先」を選択し、稲妻マークをクリックします。


図20 詳細モードへの切り替え

 「表内に存在する行を一覧表示」の「メールアドレス」を選び、宛先に設定します。


図21 メールアドレスの設定

 続いて、メールの件名および本文を設定します。まずはいったん、例文をそのまま入力します。


図22 メールの件名と本文を暫定で入れた状態

 この中で、ユーザー毎に変わる値は赤枠で囲った部分になります。


図23 ユーザー毎に変わる部分

 まず、件名の参加認定の部分は、「表内に存在する行を一覧表示」の「参加日程」に置き換えます。


図24 件名の置き換え

 続いて、本文のフルネームと参加日程も、「表内に存在する行を一覧表示」の「名前」と「参加日程」で置き換えます。


図25 本文の置き換え(1)

 最後に、文中の「ユーザーの姓」の部分を「ユーザー プロフィールの取得(V2)」の「姓」で置き換えます。


図26 本文の置き換え(2)

 これで、個々のユーザーに合わせて案内文を変えてメールを送信するフローが出来ました。

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