検索
連載

年収1000万超えを目指せる“高収入”IT資格ランキングトップ5

多くのITエンジニアが時代の変化に取り残されないようスキルアップに励んでいる。スキルアップと収入アップにつながるIT資格を紹介する。

Share
Tweet
LINE
Hatena
CIO Dive

 2024年初頭、IT業界の求人市場は低迷したが(注1)、状況は徐々に変わりつつある。求人は増加傾向で(注2)、ITリーダーは社内の技術力の向上に焦点を当てている。

 新しい技術を適切に活用するために、ITエンジニアが習得すべきスキルは何か。年収アップとキャリアの飛躍につながる、5つの資格を解説する。

年収アップにつながる5つの資格

 ITエンジニアは時代の変化に取り残されないようスキルアップに励んでいる。CIO(最高情報責任者)も、スキル向上は不可欠だと考えている。人材開発ソリューションを提供するSkillsoftの調査によると、テクノロジーリーダーの3分の1以上が「資格はスキルのギャップを埋め、生産性を向上させる」と述べている。

 SkillsoftのCodecademy Enterpriseに所属するグレッグ・フラー氏(バイスプレジデント)は、電子メールで次のように述べた。

 「企業は、新たなテクノロジーをビジネスの成果に結び付けるスキルをますます重視するようになっている。新しい技術を効果的に活用できるプロフェッショナルは、ビジネスに大きな成果をもたらす。個人が最新の知識とスキルを習得する上で、資格は重要な役割を果たす」

 企業は生成AIの導入を迅速化し、技術の発展に合わせてビジネスを迅速化するための取り組みを開始している。

 「AIに関連する最前線の資格はまだ存在しないものの、データプライバシーやコンプライアンスへの関心の高まりは、AI技術の導入と密接に関わっている」(フラー氏)

 セキュリティの強化からデータ管理の容易性の向上まで、CIOはビジネスの目標達成に役立つさまざまなスキルを求めている。Skillsoftのデータによると、技術系リーダーのおよそ5人に1人は「資格取得者は年間3万ドル以上の付加価値をビジネスにもたらす」と回答している。

 従業員にとって資格を取得することは、給与の増加やキャリアのチャンス拡大につながり、新しいシステムや技術の導入時にビジネスをより適切に支援するスキルを身にtことにも付けることにも役立つ。

 「私たちのデータによると、クラウドコンピューティング、セキュリティ、データプライバシー、リスク管理に精通し、複雑で多面的なIT環境を扱えるエンジニアは、成功するための有利な立場にいる」(フラー氏)

 Skillsoftのデータによると、2025年に向けて米国で最も給与が高い5つの資格は次の通りだ(注3)。

資格1.AWS Certified Security - Specialty

 フラー氏によると、「AWS Certified Security - Specialty」は本リストのトップに位置している。資格取得者の平均年収は20万ドル以上であり、前年比で4万ドルの増加を記録した。本資格は2023年には6位だったため、首位に躍り出たことになる。

 本資格は、「Amazon Web Serivces」(AWS)のクラウドでデータを保護する方法や、セキュリティの課題とインシデント対応を乗り切るためのヒントに対応したものだ。Skillsoftのレポートによると、ほとんどのITリーダーは2025年にAWSを優先する計画だという。また、テクノロジーリーダーはサイバーセキュリティの分野を強化したいと考えている(注4)。

 また、Skillsoftによると資格取得者の3分の1以上が管理職に就いている。

 「2024年のリストは、クラウドコンピューティングのスキルに依然として高い需要があり、技術専門家にとって有利な状況であることを示している」(フラー氏)

資格2.Google Cloud - Professional Cloud Architect

 「Google Cloud - Professional Cloud Architect」の資格は2023年は首位だったが、2024年は2位に後退した。資格取得者の平均年収は19万ドル強だ。2023年は20万ドルを超えていた。

 「2023年は、Google Cloud Platform(GCP)の機運が高まっていた。現在は、多くの組織でGCPへのニーズが満たされており、GCPへの緊急性が低下している。そのため、わずかに順位が下がった可能性がある」(フラー氏)

 この資格は、Googleのインフラストラクチャで信頼性の高いクラウドソリューションを設計および管理、実装する方法と、その指導に関する内容に対応したものだ。コースでは、コスト効率とセキュリティのヒントが強調されている。

 Skillsoftは、次のように述べた。

 「人材の確保が最も難しい領域はサイバーセキュリティであり、それに次ぐのがクラウドコンピューティングの領域だ。クラウドコンピューティングは重要であると同時に、挑戦的な分野でもある」

 Googleは、MicrosoftやAWSといったハイパースケーラーと共に、世界中のITリーダーにとって最優先のベンダーとして位置付けられている。本資格取得者のほぼ半数は管理職に就いている。

資格3.Nutanix Certified Professional - Multicloud Infrastructure

 「Nutanix Certified Professional - Multicloud Infrastructure」の資格は、2023年のリストには掲載されていなかったが、2024年のリストに再登場しトップ3に返り咲いた。資格取得者の平均年収は17万5000ドルだ。

 2022年の資格取得者の平均年収は14万7000ドルで、2024年より20%近く低かった。調査対象者のうち、管理職に就いているのはわずか13%だ。

 「GCP、AWS、Azure、Nutanixといった認定資格が注目されていることは、企業がマルチクラウドやハイブリッドクラウド戦略を採用する中で、多様なクラウドスキルの重要性が高まっている証拠だ」

 この資格は、インフラストラクチャコンポーネントの管理と展開、運用保守、災害時の復旧に対応するものだ。

資格4.CCSP - Certified Cloud Security Professional

 国際的な非営利団体であるISC2が認定する資格「CCSP」は、クラウドの概念やセキュリティ、法律、リスク、コンプライアンスに対応するものだ。資格取得者の平均年収は17万1000ドルだ。

 資格取得者の半数以上は管理職に就いている。

資格5.Cisco Certified Network Professional - Security

 「Cisco Certified Network Professional - Security」は、脆弱(ぜいじゃく)性の特定やファイアウォールの管理、アクセス制御の設定に対応するものだ。資格取得者の平均年収は16万8000ドルだ。

 資格取得者の10人に7人は管理職に就いている。

© Industry Dive. All rights reserved.

ページトップに戻る