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「AIに聞いて」で本当に問い合わせは減るのか SmartHRの事例に見る人事労務の導線設計

人事・労務の現場では、規定や手続きに関する日常的な問い合わせが管理部門や現場責任者に集中しやすい。SmartHRのAI活用例は、この負荷をどこまで分散できるかを示す事例と言える。

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 業務効率化の余地は、目立つ基幹業務だけにあるわけではない。社内規定や各種手続きに関する問い合わせや申請方法の確認、現場責任者を介した情報伝達といった日常業務にも、対応負荷が積み重なる領域がある。SmartHRの調査によると、労務担当者が受ける問い合わせのうち計88%が「マニュアルや規定を見れば分かる」内容だったという。

 だが、「見れば分かる」はずの情報があっても、問い合わせはなくならない。従業員はなぜ自分で確認できず、人事や現場責任者に聞くのか。SmartHRやコスモ石油販売、俺の株式会社の事例から、問い合わせ対応を減らすために見直すべきポイントを読み解く。

「まずは人に聞く」を変えるには何が必要か

 事例を見る上でまず押さえたいのは、問い合わせ対応の負荷が人事部門の中だけで完結するとは限らない点だ。

 特に、PCを持たない従業員が多い店舗、工場、拠点などでは、必要な情報にたどり着くまでの経路が見えにくくなる。情報伝達が現場責任者を介した口頭連絡や中継依頼に偏ると、従業員は必要な情報を自分で確認しにくくなり、店長や拠点長などの中間管理職にも対応が集中する。結果として、人事部門だけでなく、現場側にも問い合わせ対応の負荷が広がる。

 こうした問い合わせ対応の受け皿として、SmartHRは「AIアシスタント」機能を提供している。就業規則や社内マニュアル、各種手続きに関する文書を基に、従業員からの問い合わせへAIが回答する機能だ。2025年7月の提供開始から約1年で、従業員からの問い合わせに対する累計回答回数は15万回を超え、導入企業数は900社に達したという。

 同サービスの活用事例を見ると、問い合わせの一次対応をAIに担わせることで、連絡経路の集中を抑えようとする動きが見える。

 石油製品販売やサービスステーション運営などを手掛けるコスモ石油販売では、約4000人規模の従業員を抱える中、連絡手段の分散や人事への問い合わせ集中が課題だった。サービスステーションが365日稼働しているため、担当者に休日対応が発生することもあった。同社では就業規則や社内規定、システムのマニュアルなどをもとにAIアシスタントを一次対応として活用し、「まずはAIに聞く」行動が広がったとしている。

 「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」などを展開する飲食店運営会社である俺の株式会社では、約1800人の従業員のうち77%をパートとアルバイトが占めており、人事労務に関する疑問を確認する手段が限られていた。情報伝達が店長に依存しやすく、雇用形態に応じた書類案内のミスや手戻りも課題だった。同社は、合併による従業員数の増加と就業規則の刷新をきっかけに、新たな就業規則をAIアシスタントにアップロードし、雇用形態や勤務場所に応じて公開範囲を設定した。これによって、店長に集中していた問い合わせ対応の効率化や、申請ミス、手戻りの防止につながっているという。

 これら事例から見える論点は、AIによる回答そのものよりも、従業員が必要な情報にたどり着く経路をどう設計するかにある。人事・労務の問い合わせ対応は、FAQを用意するだけでは利用が定着しないこともある。どの文書をAIの回答対象にするか、誰にどの範囲を公開するか、現場の従業員が使える端末から確認できるかが、実務上の勘所になる。

 なお、本稿は2026年7月1日にSmartHRが発表したリリースを基に再構成したものだ。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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