AI投資は急ぐのにPCは5年以上使う 中小企業のIT予算に起きた違和感
生成AIには予算を付ける。では、その足元で従業員が毎日使うPCはどうなっているのか。デル・テクノロジーズの調査では、中堅中小企業のIT投資で、新しい技術を急ぐ姿勢と既存環境の更新との間にギャップが見えた。AI時代のIT予算、その順番は本当にこれでいいのか。
生成AIの登場で、企業のIT投資には新たな選択肢が増えた。限られた予算の中でAI活用を急ぐ一方、従業員が日々利用するPCや既存IT環境の更新をどこまで優先するかは、情シスにとって悩ましい問題だ。
新しい技術への投資は将来の業務変革につながる可能性がある一方、既存端末を長く使えば、性能やセキュリティ、OS移行といった別の課題も生じる。では、中堅中小企業は実際に何へIT予算を振り向けているのか。
デル・テクノロジーズが実施した2026年の調査からは、AIへの投資意欲が急速に高まる一方、PCでは長期利用が続くという、IT投資の“ねじれ”ともいえる状況が見えてきた。
AIが初めてIT投資のトップに、68.1%が100万円以上を予定
デル・テクノロジーズの「中堅中小企業向けIT投資動向調査2026」によると、AI/生成AIに100万円以上を投資する予定の企業は68.1%に達した。AI/生成AIは同社の調査で初めて投資項目のトップとなり、中堅中小企業でも新たなIT投資先として存在感を増している。
年間IT投資額全体は前年から微減した一方、AI活用を含む情報戦略の策定やシステム開発・導入に割く業務は増加した。IT予算そのものが大幅に増えているというよりも、既存の予算や人員の中でAIを含む新たな領域へ投資先が移りつつある状況がうかがえる。
AIへの投資が広がる中、対照的な数字が表れたのがPCの更新サイクルだ。
PC更新は「5年以上」が52.8%、Windows 11移行も約3割が未完了
PCの更新サイクルについて「5年以上」と回答した企業は52.8%と過半数を占めた。AIなど新たなIT領域への投資が進む一方、従業員が日常的に使用する端末では長期利用が当たり前となりつつある。
「Windows 11」への移行についても、約7割が完了した一方、残りの3割は「一部のみ/これから」と回答した。デル・テクノロジーズは、旧OSを搭載したPCが残ることで、性能やセキュリティ要件を満たさない期間が長期化する可能性を指摘している。
企業ごとに異なる投資判断
メモリやSSDなどPC部材の価格上昇が続く中でも、PC刷新について44.0%が「予定通り」、22.4%が「前倒し」と回答した。両者を合わせると約66%となる。つまり、PCを5年以上利用する企業が半数を超える一方で、更新時期を維持したり早めたりする企業もある。端末の長期利用と計画的な刷新が同時に存在しており、PC投資への姿勢は企業によって分かれている。
AIへの新規投資やWindows 11への移行、既存PCの更新、セキュリティ対策など、情シスが予算を配分すべき領域は増えている。新しい技術への投資を進めながら、日常業務を支える既存IT環境にどこまで予算を振り向けるのか。今回の調査結果は、中堅中小企業が直面するIT投資の優先順位付けの難しさを示している。
なお、調査は2026年2~3月、中堅中小企業のIT担当者とIT導入に関与する担当者を対象に実施された。IT予算やPC、サーバ、ストレージ、クラウド、セキュリティ、AIなどの投資動向を調べた。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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