「PCの調子が悪い」「システムにログインできない」といった社内ユーザーの問い合わせ対応や、その管理が手作業のままでは、サポートの質が低下する恐れがある。解決策は。
「運用でカバー」――日本のITシステムの現場では、長年そのような言葉がまかり通ってきた。情報システム部門の業務の一つである、「社内向けのITサービス管理」も例外ではない。「PCの調子が悪い」「システムにログインできない」といった社内ユーザーからの膨大な問い合わせを、Microsoft Excelのスプレッドシートで管理し、聞き覚えのない症状があれば経験者に尋ね、対処する……そのような風に人に依存し、人が頑張る運用で回しているケースは少なくない。
数人、数十人規模の企業ならば「人が頑張る運用」でも問題ないかもしれないが、数百人・数千人規模の企業のシステムとなるとそうはいかない。たとえトラブル発生率が1%以下でも、毎日のようにどこかで何らかの問題が起き、システム管理者が対応に追われることになるからだ。デジタルトランスフォーメーションが進み、ITシステムへの依存度が高まっている状況では、PCや社内ネットワーク、システムが使えなくなると業務が止まってしまう。従業員の生産性という面からも看過するわけにはいかない問題だ。
そもそも、「運用の苦労」とは、本当に必要な苦労なのだろうか。その時々に応じて「柔軟」に対処するということは、逆に言えば標準化していないということである。属人性が高く、拡張性がないというデメリットは無視できない。デジタルトランスフォーメーションの中でITを積極的に活用したいのであればなおさらだ。
「トラブルが起きたら、特定の誰かや、属人性の高いツールに頼る」という運用スタイルから脱却するためには、どうすればいいのだろうか。
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