データドリブンの経営を目指す動きが広がる中、データ活用の大前提となるのがさまざまなシステムに分散したデータの統合だ。データ集約はできても中身の整理ができていなくてはどうにもならない。この最初にして最大の課題をどうするか。
データ活用が叫ばれて久しいが、その前にまず重要なのがデータ統合だ。さまざまなシステムに分散したデータから価値を生み出すためには、大前提としてそれらのデータを統合管理し、使うに値するものにしなければならない。
例えば1人の顧客の情報が名寄せできておらず、何通も同じダイレクトメール(DM)が届いてしまうといったことは、業務の無駄であるだけでなく顧客体験を損なう。企業間取引の開始時にデューデリジェンス(適正評価)をするにも、入力したデータが不完全では反社会的勢力データベースと照合できない。はやりの機械学習活用でもデータの質は重要だ。学習すべきデータがきちんとクレンジングされていなければ、高い学習エンジンもただの箱にすぎない。
データ統合にはさまざまな課題がある。歴史の古い大企業となれば、なおのことだ。レガシーデータをオープンシステムと連携させる基盤がない企業は、データの集約はできても集約したデータの整理が困難な傾向にある。データソースとデータレイクの同期に技術的な課題を抱える企業も少なくない。データ活用のニーズは大きくなる一方で、そこには確かなパフォーマンスが求められるのだから悩ましい。
レガシーシステムからクラウドまで、全てのIT環境におけるデータインフラを最適化(Optimize)してそれぞれを統合(Integrate)し、新たな技術を取り入れつつ進化(Advance)させるために、企業は今何に取り組むべきか。次のページで見てみよう。
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