NECソリューションイノベータはMinoriソリューションズのRPAツール「MinoRobo」をベースとした「業務代行RPAロボット 派遣サービス」を展開している。
MM総研が2020年1月27日に発表した「RPA国内利用動向調査2020」によると、年商50億円以上の企業におけるRPA導入率は38%を超え、大企業に限ると50%を超えている。その一方でRPA活用がスケールせず、PoCの段階で足踏み状態が続いている企業も少なくない。中堅・中小企業におけるRPA導入率は大企業と比べ、依然として低い水準にあるのが現状だ。
RPA導入にはどのような課題があるのか。導入したRPAを活用し、スケールさせるために必要なことは何か。従業員数が10万人を超えるNECグループのバックオフィス業務の自動化を支援しているNECソリューションイノベータの担当者に話を聞いた。
──大企業におけるRPA導入率が半数を超えている一方で、中堅・中小企業の導入はまだこれからという印象です。RPAを導入したものの、思うようにスケールできていない企業も少なくありません。どういったことが背景にあると思いますか。
九鬼達哉氏(ソリューションビジネス事業部プロフェッショナル): 当社の事業の一つとしてNECグループのバックオフィス業務の自動化を支援しています。2017年の初め頃からRPAによる業務の自動化に力を入れ始めたのですが、その中でさまざまな導入や運用の課題が見えてきました。
RPAの導入期には最適なRPAツールを選定したり、開発予定のロボットが投資対効果に見合っているかを見極めたりしなければなりません。その後の運用期では、社内を統制したり、ロボットを効率的に運用したりする必要があります。全社規模でスケールするためには、関係部門にRPA導入のメリットを理解してもらうことも重要です。こういったことが導入を推進している企業でも課題となり、RPAを導入するためのあと一歩が踏み出せなかったり、導入後にスケールできていなかったりするのではないかと考えます。
RPAの導入や運用を成功させるためには、過程で生じる課題を一つ一つ解決していかなければなりません。グループ内の自動化支援によって培った知識やノウハウは、外部の企業の課題解決にも役立つのではないかと考え、サービスを体系化し、課題解決ソリューションとして展開しております。
──具体的にはどのようなサービスが受けられるのでしょうか。
九鬼: さまざまな利用シーンを想定したロボットをレンタルし、安価なデジタルレイバーとして企業に提案していく「業務代行RPAロボット 派遣サービス」を展開しております。このサービスは、お客さまの業務に合わせて当社がロボットの初期設定とチューニングをし、そのまま使える状態でお客さまに提供するものです。そのまま使うことができるので、RPA導入でネックとなることが多いロボット構築スキルやライセンス購入などのわずらわしさから解放されます。
──派遣ロボットはどのようなRPAツールを使用してサービスされるのでしょうか。
九鬼: 当社では特定のRPAツールに限定するのではなく、企業に合ったRPAツールを提案しています。「業務代行RPAロボット 派遣サービス」を実現する上で、Minoriソリューションズが提供している安価で使い勝手が良いRPAツール「MinoRobo」を評価した結果、今回のサービス要件に合致するため、採用しました。
──「MinoRobo」はどのような特徴があるのか教えていただけますか。
横山俊義氏(ソリューションビジネス事業部 プロフェッショナル): MinoRoboの特徴は、必要な機能が集約されているために操作が分かりやすく、動作が速いところです。オブジェクト認識型であり、ロボットの実行環境の変化に強く、チューニングにそれほど手間がかからない点も特徴です。
──大企業など、既にRPAを導入済みの場合にはどのようなサービスを利用することができますか。
横山: 既に導入済みのRPAツールに加え、他のRPAツールを組み合わせて使うことで幅広い業務に対応できます。システム環境や対象業務の業務量、難易度によって特徴の異なる複数のRPAツールを使い分けることで対応できる場合が多いです。お客さまのご要望や利用シーンに応じて単独あるいは複数のRPAツールを組み合わせた提案を行っています。
サービスとしては業務選定、適用診断、ツール比較、導入POC、開発、研修など幅広いサービスを提供しています。RPAツールについても「BizRobo!」「UiPath」「Automation Anywhere」「Blue Prism」「NEC Software Robot Solution」「WinActor」など主要なRPAツールをカバーしています。
九鬼: RPA定着に向けた導入運用ルールを策定するサービスも行っています。ロボット導入・運用・保守プロセスの作成、ロボットの運用環境策定、ロボットIDやパスワードの管理ルール作成など、お客さま主体で導入・運用を推進できるよう、当社のノウハウをベースにアドバイスさせていただくサービスです。
内製化を検討しているお客さまには、汎用的なサンプルロボットの適用、運用の効率化を目的としたロボットのカスタマイズなどを行うサービスもございます。内製化を確実に進めるために、このようなサービスを活用いただき、徐々に内製するプロセスの適用範囲を拡げ、RPAをスケールさせるのが望ましいと考えており、その形で進められているお客さまも多くなっています。
──業務代行RPAロボット 派遣サービスをどのように展開していこうと考えていますか。
横山: 業務代行RPAロボット 派遣サービスは、中堅・中小企業や大企業の部門導入をターゲットとして捉えています。当社は全国に支社があり、RPAの導入がまだ進んでいない地方の企業にも支社を活用してこのサービスを全国に展開しています。現在は支社体制のさらなる強化を図っています。
──今後目指していく方向性について教えてください。
九鬼: 当社はエンドツーエンドの業務プロセスの完全自動化を目指しています。現在RPA、AI-OCR、BPMを取り扱っていますが、今後はそこにプロセスマイニングやAIを組み込むことで業務のエンドツーエンドの自動化を実現し、導入企業主体で内製化を進めていけるようなソリューションのさらなる展開を行っていきます。一連の業務プロセスを自動化することで人を面倒な作業から解放し、発想力や思考力が求められる業務に注力できるようにしたいですね。
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