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従業員10万人にMicrosoft Copilot提供 AIに2000億円以上投資した企業の狙いCIO Dive

コンサルティング企業のEYが「Microsoft Dynamics 365 Sales」と「Copilot for Sales」を導入する。同社はすでにAI戦略として14億ドルを投入しているが、セールスにAIを導入する目的は何か。

» 2024年07月25日 10時00分 公開
[Lindsey WilkinsonCIO Dive]

 コンサルティング企業のEYは2024年6月18日(現地時間)、「Microsoft Dynamics 365 Sales」と「Copilot for Sales」を導入し、世界700拠点に所属する10万人の従業員に提供する予定だと発表した(注1)。

セールスにAIを導入する意義は?

 米国とカナダ、シンガポール、南アフリカの拠点では、約2万5000人の従業員がすでにAIを搭載したMicrosoftのCRMとカスタマイズされたAIアシスタントを利用している(注2)(注3)。導入は2025年1月に完了し、同社はMicrosoftの世界最大の顧客の1社になるという。

 EYは、発表の中でセールスにAIを導入する目的について次のように述べた。

 「レガシーなCRMシステムから専用のデジタルセールス基盤への移行は、業界の課題に対する深い理解や、的を絞った有意義な洞察を迅速に導き出す能力など、クライアントとの関係に対する統一されたアプローチへの需要に対応するものだ」

 EYは2023年に大規模な投資と導入の計画を明らかにした後、AIに関連する取り組みに注力し、従業員にツールを展開してきた。

 AI戦略の一環として、EYは14億ドルを投じてAIを搭載したプラットフォーム(注4)や大規模言語モデル、それらの基盤となるインフラを開発した。テクノロジーベンダーとのパートナーシップは同社のイノベーションのペースを支えてきた。MicrosoftはEYに「Azure OpenAI」の早期アクセスを提供した。EYはDell(注5)やServiceNow(注6)、IBMともAIに関するパートナーシップを構築している(注7)。

 EYのハンネ・イェスカ・バックス氏(グローバルバイスチェア)は、次のように述べた。

 「導入の目的は、高度に規制された業界に所属する複雑な組織に機会管理からセールスに至る顧客のライフサイクル全体に関する明確な展望を提供し、重要なビジネス課題の解決に焦点を当てていると顧客に示すことだった」

 PwCも同様の戦略を採用している。

 PwCは2023年4月、社内および顧客向けのAIサービスを強化するために、予算10億ドル規模の3カ年計画を発表した(注8)(注9)。同社は「現在は技術の能力とメリットを実証する証明の段階にある」と述べている(注10)。

 また、2024年5月にPwCは「OpenAIのChatGPT Enterpriseの最大顧客となり、10万人の従業員がビジネスに特化したツールにアクセスできるようになる」と発表した。PwCは、税務申告書のレビューや提案書の作成、ソフトウェア開発者を支援するためのカスタムGPTも開発している。

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