証券口座の不正売買は、累計被害額が5,240億円を超え、不正アクセス件数も1万件以上にのぼる深刻な事態へと発展しています。これは、もはや一企業にとどまる問題ではなく、日本の金融インフラ全体の信頼性を揺るがす重大な危機と言えます。このような状況下において、現場で対応にあたる企業や個人の皆様にとって、最新の攻撃手法や業界・行政の対応策を正確に把握することは、極めて重要な課題となっています。
証券口座への不正アクセス対策は、技術的な防御策やシステムの強化だけでなく、業界全体の方針や組織体制、さらには利用者のセキュリティ意識も含めた複合的な課題です。現在、多要素認証(MFA)の導入やフィッシング対策を進める中で「どのレベルまで実施すべきか」「社内の体制や利用者の理解が追いつかない」といった声も多く聞かれます。こうした背景を受け、本セミナーでは以下の具体的な施策や知見を共有します。
13:00〜13:05 | オープニング/趣旨説明 一般社団法人サイバーセキュリティ連盟 |
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13:05〜13:25 | 金融分野におけるサイバーセキュリティ強化の動向について 昨今、世界各国におけるサイバー攻撃が発生しており、我が国においても、サイバー攻撃による業務妨害、情報の窃取、金銭被害等が多発しております。また、その攻撃手法は一層高度化・複雑化しており、こうしたサイバー攻撃の脅威は、金融システムの安定に影響を及ぼしかねないトップリスクの1つとなっています。こうした脅威動向を踏まえ、金融分野におけるサイバーセキュリティ強化に向けた金融庁の取組みについてご紹介します。 金融庁 ITサイバー・経済安全保障監理官室 専門官 小西 啓介 氏 |
13:25〜13:35 | 個人情報流出と人材不足時代に備える、攻めと守りのセキュリティ実践論 急増するサイバー攻撃の傾向や、2024年の個人情報流出事例からみるサイバー攻撃の脅威を解説。WAF導入やクラウド移行時のセキュリティ対策、人材不足が招く現場課題まで、実践的な対策を技術者視点で紹介します。 株式会社サイバーセキュリティクラウド 代表取締役CTO 渡辺 洋司 |
13:35〜13:45 | ネット証券を脅かす不正アクセスの全体像と実効的な対策の方向性 ネット証券や様々な業界で深刻化している不正アクセスについて、全体像を体系的に整理したうえで代表的な攻撃手法やその対策を解説します。また、特になりすましログインやアカウント乗っ取りへの対策について従来の対策の限界等も踏まえて掘り下げて解説するとともに、多要素認証に伴う諸々の課題を解消する手段として、リスクベース認証の仕組みとその実効性について考察します。 かっこ株式会社 専務取締役 関根健太郎 |
13:45〜13:55 | 顧客の資産を守るために、金融機関が備えるべき新たな攻撃の手口 昨今のネット証券の不正アクセス問題に対し、当社グループを含む各証券会社は、その被害を最小限に抑えるために様々な取り組みを行っています。これらの取り組みは、今目の前で起きていることだけでなく、日進月歩で変化する新しい攻撃の手口を想定したものである必要があります。生成AIの進化による影響なども踏まえつつ、攻撃の手口が今後どのように進化するか、どんな対策が必要になるかをお話します。 株式会社Finatextホールディングス 取締役CTO/CISO 田島悟史氏 |
13:55〜14:25 | パネルディスカッション+質疑応答 金融庁 ITサイバー・経済安全保障監理官室 専門官 小西 啓介 氏 株式会社サイバーセキュリティクラウド 代表取締役CTO 渡辺 洋司 かっこ株式会社 専務取締役 関根健太郎 |
14:25〜14:30 | クロージング 一般社団法人サイバーセキュリティ連盟 |
開催日時 | 2025年7月10日(木)13:00〜14:30 |
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形式 | オンライン |
参加費 | 無料 |
主催 | 一般社団法人サイバーセキュリティ連盟 |
共催 | 株式会社サイバーセキュリティクラウド、かっこ株式会社 |
お問い合わせ | 一般社団法人サイバーセキュリティ連盟 pr@cscloud.co.jp |
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