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「Office 365」と「G Suite」の利用状況(2019)/後編(2/2 ページ)

Office 365とG Suiteにはオフィスアプリケーション以外にもチャットツールやビデオ会議ツール、クラウドストレージなど数多くの機能を備える。だが、これらの機能はどこまで現場で使われているのか。多機能であることは、現場にとって“正義”なのか。実態を調査した。

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「ネットが死んでもローカルで作業したい」利用者のホンネ

 オフィスツールに求める機能やサービス面での改善要求はどうだろうか。現在、業務でOffice 365やG Suiteを利用または併用している層に、求める機能やサービスの有無を聞いたところ「ある」38.1%、「ない」61.9%と現状に一定の満足感を得ている一方で、全体の約4割が機能やサービスの改善を求めていることが分かった。

 改善要望についてフリーコメントで尋ねたところ、大きく3つの要望に分けられた。1つは環境に関わらず快適に使いたいという声で、「応答時間を改善して欲しい」「ネットワーク負荷の軽減。低速度回線でもレスポンスを良くしてほしい」「ネットワーク回線が不安定な場所での安定的利用」などの声であった。また関連して「ネットが死んでもローカルで作業したい」「オフラインでの利用を可能にしてほしい」など通信が不安定な環境下にローカルで業務が継続できることを要望する声も少なくなかった。

 2つ目は互換性や連携についてで、「他社製品との互換性」「各アプリ間を有機的、横断的に解析し、より良い使い方へつなげていくための情報提供が乏しい」などの声であった。3つ目はセキュリティ面の不安の声で「アプリケーションやサービスの認証強化」「社内の情報資産を安全に共有できるためのセキュリティ機能」などであった。

「何ができるのかが分からない」多機能であるがゆえに利用者に与える複雑さ

 最後に現在利用しているOffice 365やG Suiteに対し「不満を感じるポイント」を聞いた。その結果、1位「使い方が分からない機能やアプリケーションが多い」37.5%、2位「使わない機能やアプリケーションが多い」35.9%、3位「バージョンアップのたびにユーザーインタフェースや使い方が変わる」34.4%、4位「ライセンス契約料が高い」26.6%、5位「使いづらい、操作が難しい」23.4%と続いた(図5)。ちなみに「その他」には前項で挙げたレスポンスの遅さに対する不満が多く集まった。

図5 不満を感じるポイント
図5 不満を感じるポイント

 前項で触れた通り、利用頻度が高い機能やアプリケーションは表計算ソフトやメール、カレンダーや共有ドライブといった基本機能が多く、利用者にとってはそれ以外の機能は付属していても煩雑なだけと感じる側面があるのかもしれない。

 UIに関しては、「PCとスマホの画面や機能をある程度整合してほしい」「アップデートと同時にせっかく使い慣れたインタフェースが大きく変わる場合がある」などが挙がった。使用頻度の高いオフィスツールだからこその不満ポイントと言えるだろう。

 今回の調査では、Office 365やG Suiteといったクラウド型オフィスツールの利用企業が増加傾向にある中で、機能やアプリケーションの活用実態を明らかにした。主に利用されている機能は、まだいわゆる「オフィスソフト」の機能が中心ではあるが、クラウドならではの活用メリットが浸透するにつれ、利用頻度の低い機能の活用が今後進む可能性もあると見ている。

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