「Office 365」と「G Suite」の利用状況(2019)/後編(1/2 ページ)
Office 365とG Suiteにはオフィスアプリケーション以外にもチャットツールやビデオ会議ツール、クラウドストレージなど数多くの機能を備える。だが、これらの機能はどこまで現場で使われているのか。多機能であることは、現場にとって“正義”なのか。実態を調査した。
キーマンズネットは2019年6月12日〜26日にわたり、「Office 365」と「G Suite」の利用状況についての調査を実施した。全回答者数210人のうち情報システム部門が38.6%、製造・生産部門が13.3%、営業・販売・営業企画部門が11.0%、経営者・経営企画部門が6.7%などと続く内訳であった。
今回はOffice 365やG Suiteの利用者に対し「利用頻度の高い機能」と「利用頻度の低い機能」「求める機能やサービス面での改善要求」や「不満に感じるポイント」などの質問を展開。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるため、事前にご了承いただきたい。
Office 365、G Suiteに見る「使われる機能」と「使われない機能」
「Office 365とG Suiteの利用状況(2019)/前編」ではOffice 365の利用割合が全体の42.9%と、この1年でクラウド型オフィスツールを利用する企業が増加傾向にあることなどに触れた。後編ではOffice 365とG Suiteで活用している機能、ユーザーが求める要望について説明したい。
Office 365とG Suiteにはドキュメント作成や表計算ツールだけでなく、ストレージや社内ポータル、チャット、ビデオ会議ツールなど多くの機能が備わっている。これらの機能はどこまで現場で活用されているのだろうか。それを知るために、Office 365とG Suiteを利用または併用している層に対して、利用頻度の高い機能と低い機能を尋ねた。
利用頻度の高い機能を見ると、Office 365では「Excel」86.4%、「PowerPoint」72.8%、「Word」70.9%、「Outlook」69.9%と続き、G Suiteでは「G mail」86.1%、「カレンダー」77.8%、「スプレッドシート」「ドライブ」が同率で66.7%と続く結果なった(図1、図2)。Office 365では表計算やプレゼンテーションなど業務でなじみのあるオフィスアプリケーションに回答が集まった。G Suiteでは、メーラーや共有ドライブなど、コミュニケーションや情報共有機能が票を得た。
対して利用頻度の低い機能を聞いたところ、Office 365では「Publisher」58.3%、「Stream」57.3%、「Yammer」55.3%、「Power BI Pro」50.5%と続き、G Suiteでは「Jamboard」66.7%、「App Maker」50.0%、「Hangouts Meet ハードウェア」「Cloud Search」が同率で44.4%と続く結果なった(図3、図4)。
Office 365ではDTPアプリケーションのPublisherやオンライン版BIツールのPower BI Proなど、利用者を限定する機能が上位に挙がった。また「コラボレーション時代」である中、ビデオコラボレーションツールのStreamやSNSアプリのYammerは、利用頻度は少ないようだ。こうした情報共有ツールは他ベンダーから多機能な専用アプリケーションが提供されているため、個別で導入している可能性が考えられる。
G Suiteも同様にWebアプリケーション開発プラットフォームであるApp Makerなど利用シーンや利用者を選ぶような機能が上位に挙がった。加えてJambordやHangouts Meet ハードウェアといった別途専用のハードウェアと連携する機能は利用頻度が低い傾向にあった。アプリケーション名を見ただけでは、それで何ができるかが分かりにくいものもある。多くの機能を備えるものの、多くが使われていない現状が見て取れた。
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