業種や職種に限らず、ビジネスシーンでプログラミングの知識が必須になる時代は遠くない。2020年から小学校で、21年からは中学校でプログラミング教育が必須化された。たとえ、プログラム言語を記述するコーディングの技術がないとしても、プログラミングに基づく論理的思考を身に付けることは必須だとする意見もある。もちろん、現時点でそうした知識があれば転職や昇進などに優位に働くこともあるだろう。
しかし、数あるプログラミング言語の中でどれを学べばよいのかと悩むこともあるだろう。paizaは2021年4月15日、「プログラミング言語に関する調査」の結果を発表した。同調査は、2021年3月19〜28日の期間、paizaが運営する「paiza転職」を利用中の現役ITエンジニア396人を対象に実施したものだ。ITエンジニアが一番得意な言語や学びたい言語、企業がスキルとして求めている言語や求人において提示年収が高い言語を、その理由とともに明らかにした。こうした情報は非エンジニアにとっても有用だ。2021年に学ぶべきプログラミング言語はどれか。
エンジニアに人気の言語は?
ITエンジニアが最も得意だと思うプログラミング言語は、「Java」が19.8%と最も多くの回答を得た。この結果についてpaizaは、Javaがさまざまなシステムに幅広く使用され、業務経験を持つITエンジニアが多いためとしている。次いで、「Python」が12.5%、「C」と「C#」がそれぞれ10.0%、「C++」が9.8%だった。
一方、最も学びたいプログラミング言語のトップは「Python」(26.6%)だった。次いで、「Rust」が16.3%、「Go」が11.7%、「JavaScript」が8.1%、「Kotlin」が7.0%だった。Pythonは、2020年の調査でもトップになっており、文法が分かりやすくプログラミング初心者でも学びやすい点に加え、AIや機械学習でも活用することから、人気が続くだろうとpaizaは見ている。また2位に入ったRustは、2010年に登場した言語で、安全性や処理速度、並行処理に優れており、近年急速に人気を伸ばしているという。
転職に有利 提示年収が高いプログラミング言語は?
一方、企業が求める開発言語の経験について、paizaに掲載されている求人数の割合は、トップが「JavaScript」の11.9%。次いで、「Java」が11.3%、「PHP」が11.0%、「C#」が7.4%、「Python」が6.2%だった。JavaScriptはフロントエンド開発だけでなく、サーバ側でも利用される二ーズの高い言語だとpaizaは見ている。
なお、エンジニアに人気がある「Python」は5位にとどまることから、エンジニアの希望と企業のニーズには乖離(かいり)があるようだ。
同社は、業務に必要とされる言語別の平均年収も明らかにしている。paizaに掲載されている求人の平均提示年収を見ると、比較的新しい言語が上位を占めている。トップは「Scala」の632万円。次いで、「TypeScript」が616万円、「Go」が612万円、「Kotlin」が600万円、「Python」が591万円だった。
今後新しいサービスを作る際に使いたいプログラミング言語とフレームワークでは、「Python・Django」や「PHP・Laravel」「C#・Unity」「Ruby・Ruby on Rails」「Java・SpringBoot」が上位を占めた。
「Python・Django」を選ぶ理由では、「汎用(はんよう)性が高く、実現できるものの幅が広い」「機械学習・データ分析に強く、今後の成長が期待できる」といった理由が挙がった。「PHP・Laravel」に対しては、「対応しているレンタルサーバが多い」「初学者にも分かりやすい」といった声が聞かれた。
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