離職者が増えても出社させたい? “新しい働き方”最下位の日本、他国の2倍オフィスを稼働
「従業員が望む、理想的な仕事をする空間や場所に対する企業の対応状況」に関するレポートが発表され、今後企業が従業員を確保するには「ハイブリッドワークの導入が不可欠である」ことが分かった。その一方で、日本はグローバルと比較してハイブリッドワークへの意識が低いことなどが明らかになった。
音声会議やビデオ会議製品・サービスといったコラボレーションツールを提供するPolyが発表したレポート「Recruit, Retain and Grow(人材の確保、定着、育成)」によると、今後企業が従業員を確保するには、ハイブリッドワークの導入が不可欠であることが分かった。
ハイブリッドワーク非対応で離職者が増、しかし出社を求める企業
調査結果では、「業務計画や業務プロセスのハイブリッド化を取り入れない限り、従業員の離職が増え、新たな人材の採用も難しい」と考えている企業が56%を占めた。この傾向は、特にAPAC(アジア太平洋)で顕著で、EMEA(Europe、Middle East、Africa)の55%や南北アメリカの53%に対して、60%と高かった。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行以降、回答者の58%が「ハイブリッドワークへの非対応」の影響を痛感し、従業員の離職が増加したと回答した。このようにハイブリッドワークを要望する従業員が増加する一方で、従業員に出社を望んでいる企業が多いことも明らかになった。
アジャイルな働き方に対して「十分対応できている」と回答した企業は48%と全体の半数以下で、「期間限定で対応した」という企業は37%、さらに「ハイブリッドワークは暫定的なもの」と考えている企業の割合は52%だった。従業員に対してフルタイムでの出社再開を望んでいる企業の割合は、南北アメリカとAPACがどちらも24%、EMEAでは17%だった。
また、「キャリア向上に必要な人間関係の構築には、出社することが不可欠」と考えている企業の割合は、APACの62%、EMEAの61%、南北アメリカの56%と続く。「リモートワークによって職場文化の醸成や維持がこれまで以上に難しくなった」と回答した企業の割合は、全体の74%だった。
その半面、「ハイブリッドな働き方へ移行した結果、生産性が向上した」と回答した企業は72%に上った。そして、「企業の価値を決めるのは、豊富な経験と技術力であり、仕事をする空間・場所のみでは推し量れない」とした企業は64%を占めた。Polyでは、「企業が強固なハイブリッドワーク戦略を展開するには、バーチャルやオフサイト、リモート、ハイブリッドなど、その定義にとらわれず、仕事をする空間や場所として利用できる選択肢を広げることが重要だ」としている。
ハイブリッドワークへの認識が最下位の日本
他国の2倍のペースでオフィス稼働が進む
一方、日本はハイブリッドワークに対して後ろ向きな企業が多いようだ。「ハイブリッドワークの未来に万全の準備ができている」と回答した日本の企業の割合は、16カ国中最下位の30%となった。「短期的な準備はしているが、長期的な計画は考えていない」と回答した企業の割合は、日本が16カ国で最も高い51%だ。「ハイブリッドワークを継続するつもりはない」と回答した企業の割合は、日本が16カ国で最も高い9%だった。
そして、従業員が任意の場所で、より生産的に働けるようカメラやスピーカーフォン、コラボレーションツール、クラウドアプリケーションのような技術への投資について「投資する予定はない」と回答した企業は、日本が16カ国で最も多い。オフィスでの業務再開後、1週間のオフィスの平均稼働率では、「76~100%の従業員数」と答えた日本の企業の割合は、その他15カ国の2倍に当たる22%だった。なお日本では、「26~50%の従業員数」との回答が最も多く31%を占めた。
なお同レポートは、従業員が望む理想的な仕事をする空間や場所に対する企業の対応状況に関してのレポートで、日本を含む世界16カ国の2500社以上の意思決定者を対象に実施した調査結果を分析したものだ。
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