キーマンズネット会員456人を対象にIaaS、PaaS、SaaSに関するアンケート調査を実施した。導入率や導入後の課題などの実態が明らかになった。
キーマンズネットでは、2016年6月6〜17日にかけて「IaaS、PaaS、SaaSの利用状況」に関するアンケートを実施した(有効回答数456件)。回答者の顔ぶれは、「一般部門で主にユーザーとして利用する立場」が41.0%、「顧客に販売するベンダー・SIerとしての立場」が34.0%、「情報システム部門で主に導入・検討や運用に関わる立場」が25.0%となった。また、企業規模別では従業員数1001人以上の大企業が41.7%、101〜1000人の中堅企業が38.1%、100人以下の中小企業が20.2%という構成比だった。
前編では「IaaS PaaS SaaSそれぞれの導入目的」「クラウド環境全般に関する興味・関心テーマ」「クラウド製品選定の際に重視した情報」「クラウド環境導入後の満足度」などを明らかにする。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があることをあらかじめご了承いただきたい。
まず、「導入済みのIaaS/PaaS/SaaSの導入した目的・きっかけ(上位3項目を選択)」を聞いた。全体では、上位3項目の合計が「運用負荷の軽減(81.5%)」「災害対策・事業継続(50.6%)」「開発負荷の軽減(36.9%)」「既存システムの保守切れや更改(32.1%)」「セキュリティ対策(27.4%)」の順となった。
1位だけに着目すると、「運用負荷の軽減(52.4%)」「災害対策・事業継続(14.3%)」がワン・ツーで以下は全て10%未満だ。第一目的として「運用負荷の軽減」が断トツであることが分かる。
これを企業規模別に見ると、中小企業、中堅企業では「運用負荷の軽減」を1位に挙げた割合が全体を5ポイント以上上回り、逆に大企業では「災害対策・事業継続」を1位に挙げた割合が全体を5ポイント以上上回る結果となった(図1)。
同時に、「企業向けのクラウド環境に関するテーマで興味があるもの(複数選択)」を選んでもらったところ、「統合運用管理(40.2%)」「ネットワーク仮想化(32.0%)」「運用自動化(31.5%)」「ストレージ仮想化(29.3%)」が上位を占めた。やはり「運用負荷の軽減」と「仮想化による事業継続性」が重視されていることが分かる。
一言で「運用」といっても、最たる大変さはルーティンにあるのではなく、何かあったときの復旧や可用性(アベイラビリティ)の維持にあることは論をまたない。そういった観点でも、これらの結果は腑に落ちるところだろう。
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