iPhoneの販売が伸び悩んでいるらしい。直近の業績が昨対5%減という発表もあったが市場は既に織り込み済み。むしろ発表後に株価が10ドルほど上昇した。それよりもiPhoneの性能に関する「詐称疑惑」が持ち上がっている。
自分の周囲を見渡してみればiPhoneを使っている人は少なくない。「私も使っているよ」という人だっているだろう。スマホ界において、iPhoneとAndroidという2大巨頭体制は当面揺るがないように思える。
しかし、Appleが公表するiPhoneの性能に詐称疑惑が持ち上がっている。これは聞き捨てならないというものだ。一体何が過大評価されているのか。
Forbesが報じたところによれば、AppleはiPhoneのバッテリー駆動時間を大幅に水増ししているという。情報ソースは英国の消費者協会が発行する雑誌『Which?』が5月4日に公開した報告書だ。「AppleとHTCの2社は明らかに自社製品のバッテリー駆動時間を過大に評価して報告している」とまとめられている。
同協会は、9モデルのiPhoneのバッテリー駆動時間をテストした。すると全モデルのバッテリー駆動時間が、Appleのカタログスペックよりも短かった。最も盛られていたのは「iPhone XR」だ。例えば「最大25時間」とされる連続通話時間の実測値は「16時間32分」だった。モデルによって差はあるものの18〜51%もの「水増し」が行われていた。
『Which?』は、HTC、Nokia、Samsung、ソニーのスマホも調査した。この中でApple同様にバッテリーの実スペックが公表値より劣っていたのはHTCだけだ。ただしカタログの数値に比べると5%及ばない程度だという。ちなみにソニーの端末はカタログ値よりも実測値の方が21%も上回る好結果だった。
調査手順も公表されている。それは「単純に満充電の端末を通話状態にして放置する」というもの。これはユーザーの普段の使い方に近いだろう。
では、Appleはどうだろうか。公式サイトで「連続通話時間テスト」について言及しているが、「GSMおよびCDMA通信事業者のネットワーク上で、Wi-Fiネットワークへの接続の確認をオフにした以外は、デフォルト設定でテストを実施しました」(抜粋)とだけある。具体的にどういう手順、どういう状況なのかは書かれていない。
『Which?』のホーム製品およびサービス担当責任者は「生活に欠かせなくなったスマホを購入する場合、メーカー発表以外の、信頼できる第三者組織による性能調査を確認するべきだ」と主張する。『Which?』は信頼できる「消費者に近い組織」が発行する機関誌だ。悪意をもってApple製品をたたく理由はないだろう。
やはり少なからず何らかの問題があるのかもしれない。今後のiPhoneの売れ行きにさらなる暗雲が立ちこめることにもなりかねないと思うな。
上司X: iPhoneのバッテリー駆動時間に詐称疑惑が浮上という話だよ。
ブラックピット: カタログ値で25時間、実測値で16時間半ですか。ずいぶん差がありますね。
上司X: どうしたって差は生じるものだと思うが、バッテリーが長持ちすることはセールスポイントの1つになり得るからな。
ブラックピット: 消費者団体としては告発したくもなるというものですよねえ。でも……。
上司X: 何だって言うんだい?
ブラックピット: 「連続通話時間」ですよ。16時間も通話するかなと思うんですよ。長電話したとしてもせいぜい数時間でしょう? ここにフォーカスしてもあまり意味がないのでは。
上司X: 理屈としてはそうだけどさ、連続通話時間がスマートフォンのスペックを測る1つの指針になっている以上、重要なのは間違いないよ。
ブラックピット: ぐぬぬ、確かにどの端末も仕様表に「連続通話時間」ってありますね。そうだ、僕の手持ちのiPhone XRで通話しっ放しにしてみて検証してみましょうか。
上司X: ぜひ試してみてくれ。さらなる検証、それこそ第三者の検証が行われて白黒つくことを期待したいものだよ。
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
年齢:46歳
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中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
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