財務管理システムは組織が財務情報を効率的に記録したり報告したりするのを手助けしてくれる。会計ソフトとERPの違いを説明する。
企業の成長に合わせて、組織のリーダーは「会計ソフトではなくERPを使うべきか」と検討し始めることが多い。本稿では、会計ソフトとERPの違いを紹介する。これを知れば自社に何が最適かが判断できるはずだ。
会計ソフトとERPはどちらも財務管理や会計を担うため、幾つかの類似点がある。しかし、その「範囲」と「焦点」には大きな違いがある。
会計ソフトは主に財務処理や経理、会計処理を担う。ユーザーは財務情報を記録、整理、分析、報告できる。国内では、オービックビジネスコンサルタントやミロク情報サービス、弥生が、外資系ベンダーではIntuitやXero、Sageなどが会計パッケージを販売している。
一般的な会計ソフトが備える機能は以下の通りだ。
ERPは部門や事業部をまたぐ「コアビジネスプロセスの管理と自動化」を支援する。業務を合理化し効率を高め、組織内やパートナー間のコラボレーションを強化する集中型データベースと統合システムで構成される。
代表的なERPベンダーはSAPやOracle、Microsoftなどだ。
ERPの一般的な機能は以下の通りだ。
会計ソフトとERPの主な違いとして、会計ソフトは財務管理に焦点を当てているのに対して、ERPシステムは企業運営のさまざまな側面をカバーしていることだ。そのため、会計ソフトはERPソフトより安価な傾向がある。
ただし、どちらのソフトウェアも会計と財務管理に対応しており、GLやAP、AR、財務報告、固定資産管理、税務管理、財務管理といった機能が含まれる。
しかし、ERPであれば在庫管理や調達、製造、CRMなど、他の主要なビジネスプロセスも実行できる。また、ERPは財務や在庫管理、SCM、スケジューリング、HRなど、部門をまたいでさまざまなビジネスプロセスを統合する。この統合は部門やビジネス機能を横断するワークフローの管理に役立つ。
会計ソフトは財務管理業務に特化しているため範囲が限定されるが、セットアップが簡単で使い方を習得しやすいというメリットもある。また、会計ソフトはさまざまな銀行や税務申告ツールと統合できる。
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