IT人材は常に不足している。ではどの業界でどのような人材が足りないのだろうか。
キーマンズネット編集部は「人材と働き方に関するアンケート」を実施した(実施期間:2024年2月1日〜2月28日、有効回答数528件)。「リスキリング」「IT人材不足」「働き方・転職」「職場の人間関係・価値観」の4回に分けて、調査結果を紹介する。
第2回は、企業における「IT人材不足」に関する調査結果をお届けする。どのような企業でどのような人材が不足しているのだろうか。
IT人材不足はどの企業にも共通する課題だが、業種や従業員規模によって状況に違いはあるのだろうか。
「勤務先ではIT人材を十分に確保できているか」と尋ねた結果を業種別にまとめたグラフが図1だ。8割強の回答者が勤め先でIT人材が「大幅に不足している」「やや不足している」と回答した。「やや過剰である」「大幅に過剰である」とした回答者はみられなかった(図1)。
「特に過不足はない」と回答した割合が多いのは従業員規模100人以下の企業で、「大幅に不足している」「やや不足している」という回答が少ない。これは2023年の調査と同じ傾向だ。
企業規模が大きくなるにつれてIT人材不足が顕著に現れ、特に501〜1000人の企業では94.9%が「不足している」と答えた。従業員が5001人以上になると「不足している」の割合が減少傾向にある。
ではどのような職種の人材が不足しているのだろうか。
どの職種の人材が不足しているか聞いた質問では、「プロジェクトマネジャー」「プログラマー・エンジニア」「情報セキュティ担当者」が上位に上がった(図3)。業種別で見ると、IT関連業では「プロジェクトマネジャー」「システムアーキテクト」が不足傾向にあり、製造業では「情報セキュリティ担当」「プログラマー・エンジニア」が足りない。
この結果を従業員規模別に主計した結果が図4だ。
11〜500人規模の企業では、「情報セキュリティ担当者」「インフラ関連エンジニア」「ヘルプデスク担当者」「IT資産管理担当者」などのいわゆる「情シス」人材の不足が顕著だった。企業規模の拡大に伴って管理すべきIT資産が増え、その対応に追われる企業が多いのだろう。
人材の配置や不足など勤務先に対する不満をフリーコメント形式で尋ねたところ、情報セキュリティ担当者からは次のような回答があった。業務内容に合った人員配置がなされていないことが主な課題であり、特に1人で対応を求められるという切実な不満が挙がった。
今回の調査の回答者の属性は、製造業が37.8%、IT関連業(ベンダー/SIerなど)が29.2%、サービス業が7.8%を占めている。部門別では情報システム部門(39.2%)、事業部門(37.5%)、管理部門(14.2%)という割合だ。
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