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定食屋からの参加、メイク姿の映り込み……Web会議の実態調査Web会議ツールの利用状況(2024年)/前編

「マイクをオンにしたまま袋入り煎餅を食べた人がいた」「背景がすごく汚れた自宅の部屋だった」……。Web会議が普及した今、さまざまな経験をしている人も増えている。Web会議での思わぬ経験談や、Web会議の実施状況、リアル会議との使い分けなどをアンケート調査で聞いた。

» 2024年04月18日 09時00分 公開
[キーマンズネット]

 テレワークの普及とオフィス回帰の流れを受けて、在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせるハイブリッドワークを選択する企業が増えてきた。その影響で会議の在り方も柔軟性が増し、対面とWebを使い分けることが珍しくなくなってきている。

 現在、企業はどのくらいの頻度でWeb会議を実施しているのか。対面とWebをどのような基準で使い分けているのか。どのような課題を感じているのだろうか。Web会議の実態を調査するため、キーマンズネットでは「Web会議ツールの利用状況に関する調査(2024年)」と題してアンケート調査を実施(実施期間:2024年3月13日〜3月24日、回答件数:300件)した。Web会議の失敗談を聞いた項目では、状況によっては大惨事になりかねないヒヤリとする経験や、ほほえましいエピソードが寄せられた。

”オフィス回帰”でも減らないWeb会議、使い分けの基準は?

 はじめに、Web会議とリアル(対面)会議の割合を聞いた。「Web会議とリアル会議が半々(50-69%がWeb会議)」(28.7%)が最も多く、「主にWeb会議(70-89%がWeb会議)」(22.3%)、「ほぼ全てWeb会議(90%以上がWeb会議)」(19.6%)が続いた。全体の70.6%が会議の半分以上をWeb会議で実施していた(図1)。

図1 Web会議とリアル会議の割合

 2023年5月からCOVID-19が「5類感染症」になったことがオフィス回帰の機運を高め、在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせたハイブリッドワークを採用する企業も増えている。その影響で、会議もリアルとWebを使い分ける傾向にあるようだ。

 関連して、現在のワークスタイルや業務では「どのような会議形態が最適か」を聞いたところ、全体の約4割が「Web会議とリアル会議の組み合わせが最適」(40.2%)と回答した。「状況に応じて変わる」(11.1%)を合わせると、51.3%と過半数が柔軟に形態を選択できることを理想だとしている。

 その理由をフリーコメントで聞いたところ、「報告会的な会議はWeb、検討会はリアル」や「リアル会議ではコミュニケーションロスが少なくなり、Web会議は遠隔地との対応が効率的」など会議内容や参加者の状況に応じて、やりやすい方法を選択するのが理想という意見が多く寄せられた。こうした「選択の幅があった方が働きやすい」と評価する人も増えているようだ。

 なお、「主にWeb会議が適している」は29.4%、「主にリアル会議が適している」は15.5%、「どちらもあまり使わない」は3.7%で、Web会議の方がリアル会議よりも人気は高いようだ。

Web会議、1日何回実施が平均的? 「頻度」や「会議時間」は減少傾向に

 一方、Web会議の開催時間は減少傾向にあるようだ。1日の開催頻度は「1回(1日に1回程度)」(39.9%)、「0回(ほとんどWeb会議をしない)」(28.9%)、「2〜3回(1日に数回)」(25.3%)と続き、約7割はWeb会議の開催が1日当たり1回以下だった(図2)。

図2 勤務日1日におけるWeb会議の開催頻度

 1回当たりの平均的なWeb会議時間は「1時間以上2時間未満」(67.6%)が多数を占め、「30分未満」(22.0%)、「2時間以上3時間未満」(1.7%)、「4時間以上」(0.7%)、「3時間以上4時間未満」(0%)という結果が続いた。2023年3月に実施した前回調査と比較したところ「1時間以上2時間未満」が8.0ポイント減少する代わりに「30分未満」が8.3ポイント増加しており、会議1回当たりの開催時間は減少傾向にあると言える。

定食屋からの参加、メイク姿の映り込み……Web会議”ヒヤリ”失敗談

 Web会議が普及して数年がたったが、利用者はそのメリット、デメリットをどのように評価しているのだろうか。メリットとしては「時間と場所を柔軟に選択できる」(83.4%)や「移動時間などを気にせず、効率的に会議を開催できる」(66.6%)、「旅費や物理的な会議スペースにかかる費用を削減できる」(61.5%)が上位に挙がった(図3)。

図3 Web会議のメリット

 デメリットは「コミュニケーションの難易度が上がる」(58.1%)が最多で、「音質や画質などが低いことで会議の質が下がる」(40.2%)、「通信環境に不安がある」(35.5%)などが続いた(図4)。  Web会議は場所や時間の柔軟性が魅力なものの、相手の表情が分かりにくい、細かなニュアンスが伝わらず対面と比較してコミュニケーションがとりづらいと感じる方が多いようだ。

図4  Web会議のデメリット

 「メラビアンの法則」において、コミュニケーションに影響を及ぼす要素は、言語情報が7%で聴覚情報が38%、視覚情報が55%とされている。画質や音声の乱れによって視覚や聴覚から得られる情報が不足すると、意思疎通の難易度が上がるというのは想像に難くない。

 ある回答者からは、「ある提案に同意を求めたが、無言だったので提案者はOKと思ってしまった。無言イコールOKという意味ではないので後で問題になった」といったコメントも寄せられ、体験では絶妙な空気感で察していたことをWeb会議でも実行しようとすると、事件になりかねないことがうかがえる。

 Web会議におけるコミュニケーションの難しさを深堀した質問でも、「ミュートしたことに気付かずしゃべり続けてしまった」(49.0%)や「声や音声がハウリングしてしまった」(43.9%)、「話すタイミングがつかみきれず、かぶせて発言してしまった」(42.9%)などが続き、多くの人が身に覚えのある項目が上位を占めた(図7)。社内のフランクな会議であればこうした失敗も笑い流せるが、商談やプレゼン、経営会議といったシリアスな場では場の流れを分断させたり、信頼の低下につながったりするリスクもあるため注意が必要だ。

図5 Web会議でありがちな失敗

 こうしたWeb会議ならではの困りごとに関連して、ついやってしまった失敗体験について尋ねた。Web会議が普及して数年がたった今、多くの回答者が衝撃的なエピソードを経験していた。

 まずは「上半身は、ワイシャツとネクタイだったのですが、下半身はパジャマだったのが映ってしまった」や「画面やファイル共有などで誤って機密情報に関わる書類を共有してしまった」「会議を聞いているふりをしながら事務作業をしているのが露見した」など、状況によっては大惨事になりかねないヒヤリとする失敗談を提供してくれる方もいた。

 「離席中ネコが会議に参加していた」や「子供が『パパ〜』と呼ぶ声が会議中に響き渡った」など、ほほえましい事例も多数寄せられた。中には「カメラONに気づいていなかったのか突然メイクを始めた人がいた。本人が途中でカメラをOFFにしたが、それまで誰も突っ込まなかった」や「電子タバコ吸っている姿が映っていた」といった驚きのコメントもあり、対面会議でないからこそ生じたとも言える。

  • 会議の途中でドアベルが鳴っても対応できなかった
  • どこでも会議できるだろうと思われて、移動中の電車を降りて駅のベンチに座って会議する羽目になった
  • 背景がすごく汚れた自宅の部屋だった
  • 事業の長による事業説明会で質問したメンバーの環境音がTVのワイドショーと注文を取る店員さんの声だった。定食屋から出席して質問する大胆さに驚いた
  • 会議に招待していない知人が入り込んできて、「なぜ自分を入れない」と言ってそのまま居座った
  • マイクをオンにしたまま袋入り煎餅を食べた人がいた
  • プライべート(息子の部屋を借りた際のポスターなど)が映り込んでしまった

 以上、前編では企業におけるWeb会議の実施状況や失敗談を取り上げた。後編では、利用されているWeb会議ツールのシェアや満足度などから、Web会議ツール活用シーンの変化を読み取りたい。

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