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「ちゃんと廃棄」はたった3割? 古いPCの放置が4割、データ消去も半数が実態不明

企業の機器廃棄と情報セキュリティに関する実態調査の結果によると、使用済みPCなどが社内に残されたままの企業は42%に上り、データ消去が不十分、または実施状況が不明な企業も約半数を占めた。

» 2026年06月23日 07時00分 公開
[後藤大地キーマンズネット]

 HAKUは、「企業のPC・記憶装置の廃棄と情報セキュリティに関する実態調査2026」の結果を公表した。調査は、従業員10人以上の企業に勤務する総務・情報システム担当者600人を対象に実施したものだ。調査によれば、使用済みPCやHDDなどの記憶装置が社内に残されたままになっている企業が42.0%に上るという。また、データ消去のプロセスが適切でない、あるいは実施状況を把握できていない企業は47.1%に達し、廃棄管理の課題が鮮明となった。

やるのは初期化だけ? 約半数がデータ消去を「未確認」

 今回の調査は、PCやサーバ、記憶媒体の廃棄・管理不備による情報漏えい事案が相次いで発生していることを背景に実施された。2025年〜2026年にかけては、病院で廃棄処理されたHDDが市場に流出し患者情報が漏えいしたケースや、市役所で使用されていたノートPCの盗難、外部記憶媒体の紛失による顧客情報流出リスクなどが報告されている。いずれもサイバー攻撃ではなく、物理的な管理や廃棄工程の不備が原因だった。

社内に使用しなくなったPCや記憶装置は残っているか(出典:HAKUのリリース資料)

 使用済みPCや記憶装置の保管状況については、「かなり残っている」が12.8%、「少し残っている」が29.2%で、合計42.0%を占めた。一方、「ほぼない(適宜廃棄できている)」は28.8%にとどまり、「分からない」と回答した企業も29.2%あった。

使用済みPCおよび記憶装置の主な廃棄方法は(出典:HAKUのリリース資料)

 廃棄方法では、「専門の回収業者に依頼している」が38.5%で最も多い。一方で、「保管したままになっている」が21.8%と2割を超え、「メーカーの回収プログラムを利用」が13.7%、「産業廃棄物処理業者に依頼」が11.5%、「専門業者を利用せず自社で処分」が8.3%だった。使用済み機器を長期間保管している企業が一定数存在することが分かった。

廃棄前のデータ消去方法は(出典:HAKUのリリース資料)

 データ消去方法については、「分からない」が21.8%で最多となった。次いで、「専門業者に依頼し、消去証明書を取得している」が20.8%、「自社で物理破壊や消去ソフトを利用している」が16.2%、「物理破壊(HDD破砕など)を業者に依頼」が15.8%だった。一方で、「特に何もしていない」が13.8%、「初期化・フォーマットのみ」が11.5%に上った。これらに「分からない」を加えると47.1%となり、約半数の企業でデータ消去の実施状況が不十分、または確認できていないことが分かった。

廃棄に関する社内ルール、担当者の有無(出典:HAKUのリリース資料)

 社内の管理体制を見ると、「ルールがあり担当者も決まっている」と回答した企業は33.5%にとどまった。「ルールはあるが担当者が不明確」が15.0%、「担当者はいるがルールが未整備」が11.0%、「ルールも担当者もない」が14.2%、「分からない」が26.3%となり、管理体制の整備に改善の余地がある。

 廃棄やデータ消去に関する課題としては、「特に課題はない」が52.0%で過半数を占めた。一方、課題を感じている企業では、「廃棄コストをかけたくない」が26.7%で最も多く、「担当者や作業時間が不足している」が11.8%、「今後利用する可能性があるため廃棄できない」が11.7%、「データが残っており適切な廃棄方法が分からない」が8.8%、「依頼先の業者が分からない」が6.8%だった。

 今回の調査から、使用済み機器の滞留、データ消去管理の不徹底、管理体制の未整備といった課題が同時に存在していることが見えてきた。また、コスト負担への懸念が機器廃棄の遅れにつながっている実態も見えており、情報漏えいリスクの低減に向けた運用体制の強化が求められている。

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