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強気値上げで自爆か ClaudeやGeminiに押され「M365 Copilot」は一人負け?:888th Lap

「ChatGPT」だけでなく、「Claude」や「Gemini」も支持を広げる生成AI市場。だが、Microsoft 365の法人ユーザーは約4億5000万人いるものの、有料版「Microsoft 365 Copilot」を契約している割合は4.5%未満にとどまるという。

» 2026年07月17日 07時00分 公開
[キーマンズネット]

 多くのソフトウェア企業が自社製品へのAI搭載を進めている。中でも積極的なのがMicrosoftだ。「Microsoft Copilot」は「Windows 11」だけでなく、「Word」「Excel」「Outlook」「Teams」といった「Microsoft 365」の主要アプリにも組み込まれ、仕事中で目にする機会も増えた。

 メールの要約や資料作成、データ分析など、日々の業務をAIに簡単に任せられ、しかもMicrosoft 365は世界中の企業で利用されている。そう考えると、Microsoft Copilotは「使いやすいAI」のようにも見える。

 だが、ユーザーとの接点を増やしてきた有料版の「Microsoft 365 Copilot」は苦戦が続いているという。「ChatGPT」や「Claude」「Gemini」といった競合AIに追い込まれ、なぜMicrosoft 365 Copilotだけが“一人負け”状態にあるのか。

 この件について、MicrosoftおよびWindows関連の情報サイト「Windows Latest」は2026年7月7日、有料版Microsoft 365 Copilotの普及状況を伝える記事を掲載した。記事によると、Microsoft 365の法人ユーザーは約4億5000万人いるものの、有料版Microsoft 365 Copilotを契約している割合は4.5%未満にとどまるという。

 さらに、有料ライセンスを持つユーザーのうち、週に1回以上Microsoft 365 Copilotを利用している人は20〜30%程度とされる。単純計算すると、Microsoft 365の法人ユーザー全体に占める週次利用者は0.9〜1.35%となり、記事ではこれを「約1%」と表現している。ただし、この数字は「Copilot」という名称の全サービスではなく、追加料金を支払って導入した有料版Microsoft 365 Copilotだけを対象としたものだ。

 Microsoftの公式情報によると、Microsoft 365(旧Office 365)ユーザーであれば、追加でアドオンライセンスを購入せずに利用できる「Microsoft 365 Copilot Chat」では、Webの情報を基にしたAIチャットやファイルのアップロード、画像生成などを無料で利用できる。従量課金制でエージェント機能やIT管理機能も提供されるが、ユーザーの業務データにはアクセスしない仕様となっている。

 一方、Microsoft 365 Copilotは、「Microsoft Graph」を介してメールや会議、チャット、ファイルなどを横断的に参照できる。WordやExcelなどMicrosoft 365アプリとの連携に加え、「Researcher」や「Analyst」といったAIエージェントも利用可能だ。

 最大の特徴は、単なるAIチャットではなく、その会社、そのユーザーの仕事を理解したAIとして機能することにある。社内に蓄積された情報を横断検索したり、会議内容を整理したり、資料を作成したりといった業務支援が強みだ。

 ただし、これらの機能を利用するには追加料金が必要となる。大企業向けプランでは既存のMicrosoft 365契約に加えて1ユーザー当たり月額30ドル、中小企業向けでも月額21ドル前後の費用が必要となる(本稿公開時点)。全従業員にライセンスを付与すれば、企業にとって負担は決して小さくない。

 加えて、Microsoft 365本体の法人向け料金も2026年7月1日から一部プランで値上げされた。Microsoftは、セキュリティや管理機能、AI機能の強化によって提供価値が高まったことが理由だと説明している。

 もちろん、有料版Microsoft 365 Copilotの導入が進まない理由は価格だけではない。生成AIの効果は、業務内容や利用者の習熟度によって大きく左右される。AIを活用しやすい業務が限られる従業員にライセンスを付与しても、投資に見合う効果を得られるとは限らない。また、無料で利用できるCopilot Chatに加え、ChatGPTやClaude、Geminiで十分と考える企業やユーザーも少なくないだろう。

 Microsoft自身も戦略の見直しを進めているようだ。Windows Latestによると、Copilot部門トップのジェイコブ・アンドレウ氏は社内メモで、「Microsoft 365 Copilotは存在する権利を勝ち取らなければならない」と述べたという。OSや「Microsof Office」に組み込まれているだけでは不十分であり、ユーザーが自ら使いたくなるだけの価値を提供する必要があるという危機感の表れだ。

 また同記事では、有料版Microsoft 365 Copilotの魅力の一つとして、AnthropicのAIモデル「Claude」と連携できる機能を挙げている。一方で、外部AIモデルを前面に打ち出していることについて、「Microsoftは自社AIモデルよりもClaudeの性能を高く評価しているのではないか」との見方も示している。ただし、これは記事の筆者による分析であり、Microsoftが公式に示した見解ではない。

 さらに記事では、Microsoft 365 Copilotをメモ帳やペイント、ファイルエクスプローラーなどWindows標準アプリへ次々と組み込んでいることが、一部ユーザーの反発を招いているとも指摘する。インターネットでは、Microsoftを“Microslop”と冷やかす声もあるという。「slop」は「質の低いもの」を意味する英語のスラングで、近年ではAIが大量生成した低品質なコンテンツを指す言葉としても使われている。

 とはいえ、導入率が4.5%未満だからといって、「Microsoft 365 Copilotは失敗した」と結論付けるのはまだ早い。仮に導入率が4%だったとしても、利用者数は約1800万人に達する。有料版Microsoft 365 Copilotは企業向けサービスであり、個々の従業員が自由に契約できるものではない。企業が導入を判断し、費用対効果を検証するには時間がかかるため、今後も導入が徐々に進む可能性は十分考えられる。

 今回の状況が示しているのは、Microsoftのように既存アプリへAI機能を組み込み、ユーザーの目に触れる機会を増やすだけでは、継続利用や有料契約には結び付きにくいということだ。AI機能を搭載していること自体が製品の価値になる時代から、「そのAIに毎月料金を支払うだけの価値があるのか」が厳しく問われる時代へ移りつつあるのかもしれない。


上司X

上司X: Microsoft 365の法人顧客のうち、有料版のMicrosoft 365 Copilotを契約している割合は4.5%未満で、毎週使う人は全体の約1%という話だよ。


ブラックピット

ブラックピット: 1%ですか。WordやExcelのユーザー数を考えると、ずいぶん少なく感じますね。


上司X

上司X: ただし、Microsoft 365 Copilot Chatの利用者は含まれていない。あくまで、追加料金を払って導入し、継続的に使っている人の割合だな。


ブラックピット

ブラックピット: なるほど。無料版で間に合うなら、わざわざ有料版を契約しない人も多そうですね。かく言う僕も無料版で済んでいるユーザーですが。有料版は何が違うんでしたっけ?


上司X

上司X: 社内のメールや会議、チャット、ファイルなんかを参照して回答できる。会社の仕事を知っているAI、というのが大きな違いだ。


ブラックピット

ブラックピット: それは便利そうですが、全社員分を契約するとなると相当な金額になりますよね。AIをあまり使わない人のライセンスまで買うのはもったいないですし。


上司X

上司X: そこが難しいところだな。取りあえず、全員に配るより、効果が出やすい部署や業務を見極めて導入する必要があるな。使い方を教えることも欠かせないだろう。


ブラックピット

ブラックピット: 機能を表示しておくだけでは使ってもらえない、ということですね。もちろん僕のOfficeアプリにもCopilotのボタンはありますけど、無料でも押さない日はありますから。


上司X

上司X: 毎日押せとは言わないけどな(笑)。ともかく、いくつもの生成AIが存在する今だからこそ、AI機能をどこにでも搭載すれば利用者が増えるというほど単純ではなさそうだ。Microsoftも、Microsoft 365 CopilotをアプリやOSに搭載してユーザーに押しつけて満足するのではなく、ユーザーや企業が料金に見合う成果を実感できるように仕向けないといけないだろうな。

川柳

ブラックピット(本名非公開)

ブラックピット

年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)

昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。

上司X(本名なぜか非公開)

上司X

年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)

中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。


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