今度のMicrosoftは厳しいぞ 要件ガン無視で「Windows 11」をインストールしたら起きること：628th Lap

どの時代にも法やルールの“穴”をかいくぐる人がいるのが世の常だ。10月6日（日本時間）にリリースと発表された「Windows 11」は、大丈夫だろうと思って要件を無視してインストールするとヤバいことになりそうだ。

[キーマンズネット]

　結局「Windows 10」は“最後のOS”とはならず、「Windows 11」が登場することとなった。いろいろな臆測が飛び交ったが、リリース日は2021年10月6日（日本時間）と発表された。

　Windows 10を利用しているユーザーは無償でアップデートできる予定なのだが、今回はインストールに必要なハードウェア要件が厳しい。PCによってはインストールを諦めざるを得ない人もいるだろう。

　「多少要件を満たしていなくても、インストールできるだろう」と考えるのは危険だ。Microsoftは、Windows 11を強引にインストールした場合“制裁”を課すという。PCが危険にさらされる可能性があるという、その制裁とは？

　まずは、Windows 11のインストールに必要な最低条件について説明しよう。

　Microsoftの公式情報によれば「CPUは2コア以上でクロック周波数は1GHz以上。メモリは4GB以上で、ストレージ容量は64GB以上」とされており、システムファームウェアはUEFI（Unified Extensible Firmware Interface）セキュアブートに対応、TPM（トラステッドプラットフォームモジュール）はバージョン2.0、そしてDirectX 12以上に対応したビデオカードが必要だ。

　Windows 11発表直後にMicrosoftが公式の互換性チェックツール「PC Health Check Tool」を配布していたが、諸般の事情から公開中止となった。Windows 11の正式リリース前には再配布される予定だという。

　Windows 10が動けばどんなPCでもWindows 11に無償アップグレードできるというわけではない。Microsoftが2021年8月31日に「公式アップグレード対象PC」を発表したが、DELLやAcer、HPといった有名メーカーの製品の中でもわずか15機種だった。「Microsoft Surface」シリーズでも該当するモデルが2機種（Surface Pro 7とSurface Laptop 4のみ）で、“狭き門”だ。

　リリース日にすぐさまアップグレードできるとは限らないことも覚えておきたい。アップグレード日以降に、対象となるWindows 10搭載PCに徐々に通知が届き、そこで初めてダウンロードとインストールが可能になる。先ほどのアップグレード対象PCは、リリース日に通知対象となるものだというが、その他のPCはたとえスペックを満たしていたとしても、いつ通知が届いてアップグレード可能になるのかは全く読めない。

　しかし、インストール要件を満たしていないPCでもWindows 11をインストールする方法があるという。アップデート通知を待つ必要はなく、自分の好きなタイミングでインストールできる。細かい手順はあえて割愛するが、そう難しい手段ではない。旧型のPCにもインストールできるようだ。

　そうした“抜け道”的な方法で強制インストールされたWindows 11は、大きな問題が起こり得るという。それを報じたのはTechメディア「THE VERGE」だ。

　記事によれば、Microsoftは要件を満たさないPCにWindows 11をインストールした場合、セキュリティパッチやドライバ、各種アップデートファイルを配布しない制限を設ける予定だという。つまり、無理やりにWindows 11をインストールした場合、“素”のままのWindows 11を使い続けることになるということだ。

　記事では、そのような古いハードウェアを切り捨てる姿勢のMicrosoftを非難しているが、その方針に変わりはない模様だ。なおWindows 10の最終サポート期限は2021年9月時点で2025年10月14日とされている。できれば多くのWindows 10ユーザーがWindows 11を利用できるように願うばかりだ。

上司X：　Windows 11がもうすぐリリースだけど、要件を無視して無理やりインストールすると、その後のWindowsアップデート対象外になるかもね、という話だよ。

ブラックピット：　なんとまぁ。なかなか強引なことで。

上司X：　通知が届く前にインストールしてみたい人も多いと思うんだけどな。俺もだけど。

ブラックピット：　それはハードウェア要件を満たしているPCに？

上司X：　あぁ。PCは要件はクリアしている。でも強引にインストールしたって理由でその後にトラブルになるのも面倒だしなぁ。

ブラックピット：　まあ素直に通知が来るのを待てってことでしょうかね。

上司X：　そうかもしれん。

ブラックピット：　これは、Windows 11がプリインストールされた新しいPCを買え、というメッセージなのかもしれませんよ。どのみちリリース日以降の製品はみんなWindows 11なんでしょうし。

上司X：　そうは言っても誰もが買えるわけじゃないだろう？　プレビュー版をインストールした有志によれば、そこまでスペックが高くなくて、要件を満たしていないPCでもWindows 11が動いたっていう話だし、そういうハードまで切り捨てるのはMicrosoft的にも得策ではないと思うんだがな。ぜひ改善を望みたいところだ。

ブラックピット（本名非公開）

年齢：36歳（独身）
所属：某企業SE（入社6年目）

昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ（中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった）。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。

上司X（本名なぜか非公開）

年齢：46歳
所属：某企業システム部長（かなりのITベテラン）

中学生のときに秋葉原のBit-INN（ビットイン）で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR（でも中古らしい）。人懐っこく、面倒見が良い性格。