事例で学ぶ!業務改善のヒント
経営判断に必要なデータ分析に2週間、そんな経営速度を上げたのは(1/4 ページ)
あの有名なIT企業でも、経営会議に向けたデータ分析に2週間も掛かっていた……。セゾン情報システムズが選んだデータ分析方法と、各部署が受けた恩恵とは?
大量のデータを収集して分析、活用できる環境が整ってきた。それに伴い、データ活用の重要性も高まる一方だ。その優劣が企業競争力の差に直結する時代になったといっても過言ではないだろう。半面、“自分たちが見たい切り口でのデータ分析がすぐにできない”という悩みを抱える経営者やユーザー部門も多いようだ。この課題を解決する際のキーワードとなるのが“セルフサービスBI”である。セゾン情報システムズでは、これまで2週間かかっていた経営判断に必要なデータ分析を、セルフサービスBIの導入でリアルタイムに実現できる環境を作り上げた。
「経営判断はまた2週間後に……」データの見える化にかかる作業が重かった
セゾン情報システムズは、ファイル転送ソフト「HULFT」などパッケージ製品の提供に加え、流通・サービス/クレジットカード業界を対象とするSI事業や運用サービス事業を展開するIT企業だ。
これまで同社では、月に二度行われる経営会議の場で確認する受注状況や予実管理などの経営データを、流通・ITソリューション事業、カードシステム事業、HULFT事業といった各事業部がExcelでまとめて“数字を中心に構成された表”として提出していた。当時の課題について、常務取締役CTO(最高技術責任者)の小野和俊は、次のように説明する。
「経営会議には各事業部から報告書が提出されます。報告書はExcelでフォーマットを作成していましたが、グラフではなく数字によってとりまとめられたものがベースとなっていました。経営層は経営会議の場では直感的に状況を把握できず、判断を下すのに必要な情報も単一的な視点からしか見られないという課題を持っていました。そのため、提出される報告書の数値を別の切り口で見たいといった追加オーダーが入るようになり、その都度、指示を受けた事業部はあらためてデータ分析を行い、2週間後の経営会議に提出していました。結果、経営判断は2週間遅れることになり、現場も新たなデータ分析作業を負担することになっていました」(小野氏)
こうした課題を解決するために、同社は既に発足していたBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)プロジェクトのリーダーである高橋氏をアサインした。セゾン情報システムズでは、2016年4月に始まった中期経営計画における戦略・施策の1つに業務プロセスの最適化があり、その最適化する業務の1つが「経営の見える化とデータ分析」だったのだ。
高橋氏は、経営会議におけるデータ活用の課題を解決すべく現場の状況を調べた。いくつかの事業部では、次のような実態が明らかになったという。
「例えば流通・ソリューション事業部では、1回の経営会議に向けて報告書を作るために約40時間が費やされていた事が明らかになりました。基幹システムから必要なデータを抽出して加工処理を行い、Excelシートにまとめるまでに多大な時間を要していたのです」(高橋氏)
また、これは一事業部だけでなく、他の事業部でも似通った状況に陥っていた事も判明した。
「基幹システムに必要なデータはあるものの、それらを引っ張り出してきて加工するという処理を毎回やっていたのでは、時間がいくらあっても足りません。現場は非常に疲弊していました。しかも経営判断は遅れることになる。これではマズい、何とか改善できないか。そう考えて新たなツールの導入を検討することにしたのです」(高橋氏)
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