星野リゾート「やるやる詐欺」の情シスが3カ月でシステム改修を実現した理由

たった5人の星野リゾート情報システム部は会社の急成長で悲鳴を上げた。予約サイトの機能追加が追い付かず「やるやる詐欺」という汚名を着せられたのだ。短期での機能追加を実現するために活用したものとは。

 「5人で社内全てのシステムやネットワークを見なければならない」星野リゾートの情報システム部は、会社の急成長で悲鳴を上げた。予約サイトの機能追加が追い付かなくなり、コミュニケーションの行き違いから「やるやる詐欺」という汚名を着せられたのだ。

 この汚名を返上し、短期での機能追加を実現するために活用したのがkintoneだった。結果的に、当初は12カ月かかるといわれていた開発期間を3カ月にまで短縮したという。何が功を奏したのか。

 2018年6月14日にサイボウズが開催した「kintone hive tokyo」では、星野リゾート グループ情報システム 前田 文子氏が登壇。「やるやる詐欺の情シスが3カ月で作った海外マーケット用決済システム」と題した講演で、当時の苦労や短期導入を実現した理由を語った。

人手不足で陥った「やるやる詐欺」事件

 37拠点のホテルや旅館を運営する星野リゾートは、旅行予約サイトや旅行代理店、電話などの複数の予約チャネルを使って、ユーザーの宿泊予約を受け付けている。自社の予約サイトも運営しており、最近ではその予約サイトの予約率が6割を超えてきている、と前田氏は説明する。

星野リゾートグループ 情報システム 前田文子氏 星野リゾートグループ 情報システム 前田文子氏

 会社が右肩上がりに成長する中で、自社予約サイトの重要性が高くなり、マーケティング担当からは改善や機能追加の要望が出されるようになった。しかし5人体制の情報システム部では、要望の増加に対応できなかったという。

 社内と情報システム部とのコミュニケーションミスも起きていた。例えば、マーケティング担当から予約サイトの機能追加の要望が来た際、情報システム部は「開発工数として3カ月を有する」と答えたつもりが、マーケティング担当側は「今から3カ月後に機能が追加される」と受け取ってしまった。

“あるある”コミュニケーションミスの例 図1 “あるある”コミュニケーションミスの例

 結果的に、深刻な人手不足に悩む情報システム部は、他に優先順位の高い案件も抱えており、機能追加の要望に着手することはできなかった。このようなコミュニケーションミスが何度かあった中で、情報システム部は「やるやる詐欺」という汚名を着せられ、経営陣からの信頼も失いつつあったと前田氏は振り返る。

12カ月の工数を3カ月に短縮した鍵

 この状況を打破し、マーケティング部の要望に応えなければならないと考えた情報システム部は立ち上がる。具体的には、3カ月で自社予約サイトに新機能を追加するというミッションを掲げ、転属直後の前田氏がその担当者となった。

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