年間平均40%超で急拡大するSD-WAN市場、成長の阻害要因は?
IDC JapanがSD-WAN市場の予測を発表した。2019年に発表した「2018年~2023年にかけて19倍に拡大」という予測を大きく下回る。
IDC Japanは2021年9月28日、国内SD-WAN(Software-Defined WAN)市場の予測を発表した。2020年の市場規模は対前年比36.9%増の37億2200万円だった。2021年は同47.6%増と成長が続く見込みだ。
2020年は、中堅中小企業や自治体、小中学校ネットワーク向けを中心に従来よりも安価なSD-WANマネージドサービスが国内SD-WAN市場をけん引した。IDCは、SD-WANを導入する主な目的が「WANサービス費用の削減」から「拠点から直接インターネットに接続するローカルブレークアウト」に変化しつつあると見ている。
大企業向けの高機能なSD-WAN市場では、新型コロナウイルス感染症の影響で導入が進むクラウド型セキュリティを組み合わせたSD-WANの導入検討が進む見込みだ。IDCは、2022年の国内SD-WAN市場は対前年比60%を超える伸びを見せると予測する。
急激な成長が続くとみられるSD-WAN市場だが、拡大を阻害する要因も挙がる。プロキシサーバを利用している環境ではローカルブレークアウトの実現が技術的に困難であること、在宅勤務の増加によって企業の拠点への投資が減少すること、ローカルブレークアウトが可能になる高機能ルーターがSD-WANを代替してしまうことだ。
これらを踏まえてIDCでは、国内SD-WAN市場の2020~2025年の年間平均成長率(CAGR)を43.2%と見込み、2025年の市場規模が223億7800万円になると予測する。
IDC Japanでコミュニケーションズのリサーチマネージャーを務める山下頼行氏は、国内SD-WAN市場のトレンドについて「短期的には中堅中小企業を中心にローカルブレークアウトを主な目的として、比較的安価なSD-WAN製品やサービスの導入が進む。大企業では、比較的長期にわたる取り組みとして、クラウド型セキュリティを組み合わせた企業ネットワークやシステムの最適化に向けて導入検討が進むだろう」と述べている。
なおIDC Japanは、2019年の発表では、2018年~2023年にかけて同市場の規模はおよそ19倍に拡大し、2023年の市場規模を346億7200万円に登ると予測していた。
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