NFTの法的課題とは? 規制や実務上の留意点をIT弁護士が解説

NFT(非代替性トークン)はデジタルデータのユニーク性をブロックチェーン技術によって確保するものだ。新しい市場への期待から新規参入が相次ぐが、従来の権利や金融規制にかかわる法律との関係には注意が必要だ。NFTを取り巻く法規制の現状と実務上の留意点とは。

本記事はBUSINESS LAWYERS掲載記事をキーマンズネット編集部が一部編集の上、転載したものです。

サマリー

  • NFTとは 市場の隆盛と法規制
  • NFTの私法上の性質~所有権の有無
  • NFTと金融規制(デジタルトークンと金融規制上の法的分類/NFTと暗号資産該当性)
  • NFTビジネスと実務上の留意点(NFTアート/NFTプラットフォーム/ブロックチェーンゲーム)

NFTとは 市場の隆盛と法規制

 NFT(Non-Fungible Token)とは、一般に代替可能性のないブロックチェーン上で発行されるデジタルトークン(証票)をいいます。法令上の定義は特にありません。典型的には、NFTは、イーサリアム上の「ERC-721」や「ERC-1155」などのトークン規格に基づいて発行されます。NFT自体は2017年頃から存在していましたが、近時、NFTで表現したデジタルアートやデジタルトレーディングカードが、数千万円、数億円、時には数十億円で売買される事象が生じていることも相まって急速に注目が集まっています。

 本来、デジタルなデータは無料かつ容易にコピーできるものの、NFTはブロックチェーン技術を利用し、唯一無二のユニークなデータの作成を可能にすることが革新的であると考えられています。

 このように、NFTは、ユニークなデジタルデータという特性を有することから、しばしば「NFTはデータの所有を可能にする」「NFT保有者はデジタルアートやデジタルキャラクターの所有権や著作権を取得する」、などとも言われることがあります。しかし、果たしてこれらの表現は法的に正しいのでしょうか。

 また、NFTもビットコインなどの「暗号資産」(仮想通貨)と同じくブロックチェーン上で発行されるデジタルトークンですが、暗号資産を規律する資金決済法などの金融規制の対象とはならないのでしょうか。

 結論から言えば、これらの表現は法的には正確ではなく、また、「NFT」と呼称しさえすれば必ず暗号資産その他の金融規制の対象から外れるというわけでもありません。

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