コロナ特需後のIT投資動向に変化 DX「最後の投資先」とは
基幹システムのクラウドシフトが加速する中、深刻な「内製化力」の不足に注目が集まる。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のまん延によって一部のデジタル分野は「特需」ともいえる市場成長を果たした。テレワークやSaaSの導入など、各種デジタルツールへの支出が一段落した中で、中堅中小企業を中心にIT投資の「落ち着き」が見える。テレワークに代表される「コロナ対策のIT」を減少させる一方で、これまで先送りされてきた分野への投資に注目が集まる。
クラウドシフトが進む中で残された「内製の課題」とは
IT専門調査会社のIDC Japanは2022年6月29日、国内企業のCIOや情報システム部門長などを対象とした「国内企業のIT投資動向」に関する調査の結果を発表した。
発表によれば、2021年度のIT支出実績が前年度比で「変わらない」と回答した企業が5割を超え、2020年と2021年のIT支出額に大きな変化は見られなかった。一方で、従業員2~999人の中堅中小企業においては「減少」が「増加」を上回った。IDCはこれを「コロナ禍の影響でテレワーク環境などを整備するために発生していた一過性の支出が一段落した結果」と見ている。
基幹系システムに関する調査では、大企業を中心にクラウド移行が進む。調査時点で「クラウドに移行済み」の大企業は26.5%あったが、5年後には38.9%に上昇する見込みだ。特に「全面的にクラウド環境に移行済み/最初からクラウド環境で運用」の上昇幅が大きい。
クラウドかオンプレミスかを問わず、自社システムの開発や運用にはエンジニアが必要となる。調査によれば社内エンジニアが「現在いる」企業は大企業では9割を超える一方で中小企業では4割程度だ。エンジニア人材の獲得競争が激化している状況を受けて「人材のリスキル/内製力の強化」が課題となっている。
IDC Japanの木村聡宏氏は調査結果から「サプライヤーはユーザー企業の課題を理解して企業の人材育成と内製化を支援すべきだ」と分析する。
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