医療分野のサイバーインシデントに「内部犯」が他分野の3倍多い理由

ヘルスケア分野でのサイバー侵害は従業員が原因になっていることが多い。特に「不正な権限の乱用」による問題はその他の分野の3倍に上るが、その背景には業界特有の構造的な問題があるのかもしれない。

 ヘルスケア(医療機関)におけるサイバーセキュリティ侵害は2021年に最高を記録し、膨大な量の患者データが危険にさらされた。ランサムウェアのような外部からの脅威は「セキュリティ対策資金の慢性的な不足」「ロシア関連のサイバー攻撃の懸念」「極めて攻撃的なランサムウェアグループの台頭」などの要因とともに高く懸念される。

 ただしヘルスケア分野は、その他の分野と「原因」の割合が異なる。具体的には、サイバー侵害の40%が従業員を原因とするものだったという。従業員の不正な権限乱用による侵害はその他の業界に比べて3倍に上る。

医療業界にとっての「常識」がインシデントの温床に?

 Verizonが2020年11月~2021年10月にサイバーインシデントの被害に遭った組織から収集したデータを基に作成した報告書によれば、ヘルスケア業界における侵害の要因のトップ3は「基本的なWebアプリケーションへの攻撃」「雑多なエラー」「システム侵入」で、全体の4分の3を占めた(注1)。その中で同社は「侵害の原因のほぼ40%が従業員によるもの」と指摘し、内部プロトコルの見直しを提言する

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