環境改善事業投資「グリーンボンド」とは? 環境省のガイドラインや利回りなどを基礎から解説

気候変動問題への取組みを債権発行による資金調達で加速する「グリーンボンド」とは何か。ブロックチェーンを活用したスキームや、環境省によるグリーンファイナンスに関連する政策などを基礎から解説する。

 「グリーンボンド」とは、企業や自治体が地球の気候変動問題に対応した取組みを促進するために誕生した資金調達手段で、「環境債」の一つだ。いわゆる再生可能エネルギーに関連した事業などに関する改善活動としての「グリーンプロジェクト」において資金を募り、事業に活用できる。

 2014年に国内で最初のグリーンボンドが発行(日本政策投資銀行)されて以降、多くの国内組織が後に続き、2021年には発行総額が約1兆8651億円という規模になった。しかし世界での発行総額は5793億ドル(約78兆600億円)で、最大の発行額実績をもつ米国の819億ドル(約11兆1123億円)やそれに次ぐ中国、ヨーロッパ各国と日本では大きな差があり、韓国よりもその額は少ない(注1)。

 脱炭素などの環境問題へ関心が広がり、グリーンボンドをはじめとする「ESG(Environment/Social/Governance)投資」の活発化が近年目覚ましいものの、その勢いは海外に比べるとそう大きくはない。その理由は、本当に投資した資金が環境改善につながるのか、投資側に納得してもらえる材料を透明性高く提供する義務が発行者に課せられるため、そのコンプライアンスコストが障壁になっているという事情がある。

 最近は、国内でもIT活用により発行側がレポーティングの負担を軽くし、投資側は発行側の取組みを定量的に適時モニタリングできる仕組みの構築が始まっている。これが普及すれば、グリーンボンドをはじめとする各種のサステナビリティ評価の透明性が高まり、環境改善活動を強く後押しできる可能性がある。

発行側、投資側それぞれの課題と解決策のデジタル債とは

 グリーンボンド普及に向けて注目すべき出来事は、2022年6月1日に日本取引所グループが発表した「グリーンデジタルトラックボンド」だ。これはブロックチェーン基盤を活用した社債型セキュリティトークン(デジタル債)である。これは投資した資金がどのように活用されて効果が出ているか(発電量やCO2削減量など)を常時モニタリング(デジタルトラック)可能にしたところが大きな特長で、グリーンボンドの活発化を促す方向性を示すものだ。

図1 グリーンデジタルトラックボンドのスキームイメージ(日本取引所グループ 2022年6月1日 ニュースリリースより)

 グリーンデジタルトラックボンドは、日本取引所グループと日立製作所、野村證券、BOOSTRYの4社が協業して開発を進めているもので、日本取引所グループは「第1回無担保社債(社債間限定同順位特約及び譲渡制限付)」として発行した同ボンドで調達した資金を、連結子会社のJPX総研に貸付け、JPX総研はそれをグリーンプロジェクトにかかる再生可能エネルギー発電施設(太陽光発電設備およびバイオマス発電設備)に関する設備投資に充当する。

 注目すべきは、グリーンデジタルトラックボンドがグリーンボンド投資における次の課題の解決を目指している点だ。

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