AIチャットbotとは? メリットや機能、導入ステップ、運用の注意点、事例を紹介

AIチャットbotの最新トレンドや導入前に知っておきたいメリットやデメリット、製品の選定ポイント、運用の注意点を解説する。社内ヘルプデスクでの利用例として、電話対応をチャットbotにシフトしたKDDIエボルバの取り組みも紹介する。

 AI(人工知能)チャットbotは人の入力した自然文に対して自動で応答するシステムだ。主にカスタマーサポート領域で導入されてきたが、近年は社内ヘルプデスクの効率化を目的に活用する企業も増えた。多様化する活用シーンに合わせてベンダーもさまざまな機能を追加しているようだ。

 本稿は、AIチャットbotの最新トレンドをふまえた上で、導入前に知っておきたいメリットやデメリット、製品の選定ポイント、運用の注意点を解説する。合わせて、社内ヘルプデスクでの利用例として、電話対応をAIチャットbotにシフトしたKDDIエボルバの取り組みも紹介する。

 なお、本稿はKDDIエボルバの赤井隆晋氏(企画統括本部サービス企画開発本部ITコンサルティング部 部長)、佐々木 剛史氏(企画統括本部サービス企画開発本部ITコンサルティング部 副部長)、後藤恭一氏(技術統括本部情報システム本部システム運用部ヘルプデスクサービスG グループリーダー)に取材した内容を再構成した。

AIチャットbotの市場概況とメリット

 ユーザーが入力する文章に会話で応答するチャットbotは、自然言語処理や機械学習といったAIを取り入れながら進歩してきた。近年は、ルールに沿って定型の質問を繰り返すだけでなく、ユーザーが入力した自然文を理解し、登録されたデータの中から最適な回答を導き出すことが可能になった。AI技術を利用することで表記ゆれも吸収して質問の意図をくみ取れる他、会話ログを繰り返し学習することで回答精度も向上する。

 AIチャットbotの商業利用が進むきっかけになったのは、2011年における「IBM Watson」や「Siri」の登場だ。時期を同じくしてGoogleやLINE、Facebookなどもチャットbotを組み込んだサービスを発表して商業利用が活発化した。こうした情勢に乗って2016~2017年には日本企業での導入も増え、大手企業が顧客向けのサービスで問い合わせ応答を自動化するようになった。

 こうしたアーリーアダプターの中には、「流行ものを取りあえず入れてみよう」という企業もいたが、近年はデジタルトランスフォーメーション(DX)の盛り上がりとともに、問い合わせ対応に掛かる工数やコストの削減、顧客体験の向上、非接触による顧客対応の強化といった明確な目的を持って導入する例が増えた。

 活用シーンも多様化し、近年はカスタマーサポート領域でチャットbotを利用してきた企業を中心に、社内ヘルプデスクでも利用したいとするニーズが高まっている。2020年からのコロナ禍では、テレワークを起点にしたシステムの導入や制度変更に伴い、社内ヘルプデスクの利用頻度が増えたとする調査(注1)もある。社内ヘルプデスクの状況が変容する中で、問題の自己解決を促すチャットbotが、担当者の負荷の解消や働き方の変容につながるという期待が高まっている。

注1 KDDIエボルバ『社内ヘルプデスク動向調査レポート2022』(調査時期:2022年3月、調査対象:企業に勤務する20~69歳の会社員700人)

AIチャットbotの機能

 AIチャットbotは問い合わせへの自動応答や回答精度向上の機能の他、自社のFAQシステムと連携させてページを提示する機能や、チャットbotで解決できない質問を有人オペレーターにエスカレーションする機能、多言語対応機能、雑談やキャラクター設定をカスタマイズする機能など備える。

 DXの盛り上がりとともに注目度が上がっているのが、外部システムとの連携機能だ。例えば、「PKSHA Chatbot」では、チャットbotを人事管理システムやCRM(顧客管理)と連携させて勤怠管理や顧客管理を効率化する機能を提供している。

 特定のシーンを想定した機能も増えてきた。社内ヘルプデスクを自動化するPKSHA Chatbotは「Microsoft Teams」(以下、Teams)など業務で利用しているビジネスチャット上でAIチャットbotを呼び出し、質問できるよう設計されている。個別対応が必要な問い合わせはヘルプデスク担当者にエスカレーションされ、担当者がチャットbotでの自動応答履歴を見ながら対応できる。対応者情報や対応ステータス管理といった機能も備えている。

 その他、管理者の負荷を削減する機能として、テンプレートによってFAQの作成を支援する機能や、チャットbotの利用者権限を設定できるセキュリティ機能、チャットbotの利用率やFAQの改善ポイントを分析する機能などが提供されている場合もある。

AIチャットbotの製品選定ポイント

 市場にはさまざまなチャットbot製品が出回っているが、導入目的によって選ぶべき製品は異なる。カスタマーサポートや社内ヘルプデスクなど、どのような用途でチャットbotを導入したいのかを明確化し、AI搭載の有無といったチャットbotのタイプ、必要な機能などを洗い出す。

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