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ChatGPTに「おすすめの○○は?」 実は答えが決まっているらしい:893rd Lap

ChatGPTに「おすすめの○○は?」と聞けば、いくつかのブランドや商品を教えてくれる。では、その候補はどうやって選ばれているのだろうか。どうやらChatGPTは、検索を始める前から「この分野ならこれ」と、ある程度の候補を持っているらしい。

» 2026年08月21日 07時00分 公開
[キーマンズネット]

 商品やサービスについて調べるとき、検索エンジンではなく、「ChatGPT」のような生成AIやAIチャットに相談する人が増えている。「おすすめの会計ソフトは?」「私の会社に向いているCRMは?」と質問すれば、ChatGPTが候補を挙げ、必要に応じてWebを検索しながら、それぞれの特徴や料金を比較してくれる。

 従来の検索エンジンで自社ブランドの検索順位を上げる施策が「SEO」(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)なのに対し、こうしたAI検索への対応は「GEO」(Generative Engine Optimization:生成エンジン最適化)と呼ばれることがある。AIの回答に自社ブランドを取り上げてもらえるかどうかが、これからのマーケティングで重要になる。

 では、ChatGPTは一体どうやって、回答で挙げるブランドや商品を選んでいるのだろうか。実は、検索する前から、ChatGPTの中には「この分野ならこのブランド」といった候補がある程度決まっているらしい。

 これについて紹介したのは、SEOやAI検索について調査しているSuganthan Mohanadasan氏だ。同氏は2026年8月10日、自身のWebサイトで「ChatGPT Already Knows Who's In The Running Before It Searches」というブログ記事を公開し、ChatGPTが検索するときに選ぶ候補と、最終的な回答で紹介されるブランドや引用されるWebページとの関係を調べた。

 ChatGPTは、回答にWebの情報が必要だと判断すると、ユーザーの質問を基に検索するためのキーワードを組み立てる。その検索キーワードには、ユーザーが質問の中で指定していないブランド名が入ることもあるようだ。Mohanadasan氏は、ブラウザが受け取るデータを確認できる開発者向け機能を使い、ChatGPTが実際にどのように検索しているのかを調査した。

 例えば、同氏が「2026年におすすめのAIノートアプリ」をChatGPTに尋ねたところ、最初の検索結果には、「Granola」「Notion AI」「Otter」「Fireflies」「Fathom」「Mem」「Limitless」という7つの製品名が含まれていた。これらは、ユーザーが質問の中で指定したものではない。その後、ChatGPTはこの検索をもとに、それぞれの公式サイトや料金ページなどを個別に調べていった。

 面白いのは、ChatGPTが最初の検索結果を見る前から、既に7つの製品を候補に入れていたことだ。このケースでは、Web上から候補を一から探したというより、ChatGPTがもともと知っていた製品を候補として挙げ、その情報をWebで確認していったように見える。

 さらにMohanadasan氏は、27件の会話について、ユーザーの質問と、ChatGPTが最初に検索した結果を調べた。質問はソフトウェアやAIツールを中心としたもので、その内21件の会話で、ユーザーが名前を出していないブランドが検索対象に含まれていたという。さらに、ソフトウェア以外も含む12のカテゴリーで調べたところ、13件中11件で同じような現象が確認された。

 もちろん、同じ質問をしても毎回同じブランドが候補になるわけではない。候補の一部が入れ替わったり、企業の公式サイトではなくレビューサイトなどが選ばれたりすることもあった。また、「おすすめ」を求めていない質問でも、困りごとを相談しただけで特定のブランドが回答に登場するケースもあったという。質問の言い回しや会話の流れによって、検索する候補や最終的な回答が変わることも分かった。

 Mohanadasan氏は、こうして検索されたブランドを2つのグループに分けた。一つは、ChatGPTが最初に行った検索にブランド名が含まれていたもの。もう一つは、検索によって関連するWebページは見つかったものの、検索のキーワードにはブランド名が含まれていなかったものだ。

 最終的な回答でブランドが取り上げられた割合を見ると、前者は68.9%、後者は2.1%だった。単純に比較すると、最初の検索段階で名前が挙がったブランドは、そうでないブランドに比べて、最終的な回答に登場する割合が約33倍高かったことになる。

 この結果からは、これまでのSEOとは少し違った課題が見えてくる。表示速度を改善したり、構造化データを整えたり、Webサイトの文章を分かりやすくしたりすることは、ChatGPTが自社のページを見つけた後には役立つ。だが、そもそも最初の候補に入っていなければ、自社のページまで調べてもらえない可能性がある。

 つまり、AI検索では、「検索された後に見つけてもらう」だけではなく、検索を始める段階で「この分野ならこのブランド」と思い出してもらうことが重要になる。

 では、どうすればChatGPTに候補として認識してもらえるのか。Mohanadasan氏の分析から見えてくるのは、自社サイトを整えるだけでは十分ではないということだ。その企業や商品が特定のカテゴリーと結び付いていることを、Webで広く知られるようにすることが重要だという。

 例えば、第三者によるレビューや比較記事、業界メディアでの紹介、専門家や利用者による評価などが挙げられる。「このカテゴリーならこのブランド」「このサービスと比較するならこの会社」といった情報がWebに増えていけば、AIにとってもそのブランドがその分野の有力な選択肢として認識されやすくなる。

 一方で、検索の候補に入ったからといって、それだけで自社サイトが回答の出典として使われるわけではない。ここには、もう一つのハードルがある。

 Mohanadasan氏によると、57件の会話でChatGPTが取得した3554ページのうち、最終的な回答で出典として引用されたのは110ページで、全体の約3.1%だったという。つまり、検索されたWebページの全てが、そのまま回答の根拠として使われるわけではない。

 自社のページを引用してもらうには、質問に対する答えを1つのページに分かりやすくまとめることが重要になる。結論や具体的な数字を読み取りやすい形で示し、数値データも画像だけではなくHTMLテキストで掲載する。そうすることで、AIが内容を理解しやすくなる。

 また、似たような内容のページを大量に作ることにも注意が必要だという。ページが増えすぎると、自社サイトで似たページ同士が競合し、AIにとっても「どのページを参照すればいいのか」が分かりにくくなる可能性がある。

 こうしたことから、Mohanadasan氏はAI検索への対応を大きく2つの段階に分けて考えている。まずは、カテゴリーを代表するブランドとしてChatGPTに認識され、検索する際の候補に入ること。その次に、候補として調べてもらったとき、自社のページを回答の根拠として使ってもらうことだ。

 前者では、第三者から紹介されたり、他社と比較されたりする機会を増やすことが重要になる。レビューや比較記事、業界メディアでの紹介、専門家やユーザーからの評価などによって、「この分野といえばこのブランド」というイメージをWebに積み重ねていく。

 後者では、AIが内容を理解しやすく、引用しやすいページを作ることが重要になる。1つの検索意図に対して1つのページを用意し、質問への答えをページの上部に分かりやすく置く。価格や実績などの数字も、画像ではなくテキストで示す。こうした基本的な情報設計が、AIに自社ページを引用してもらうためのポイントになる。

 もちろん、今回の調査には注意点もある。調査は1つのChatGPTアカウントを中心に行われており、質問の種類にも偏りがある。また、地域やアカウントによって回答がパーソナライズされるため、今回の数字をそのまま全ての業界に当てはめることはできない。

 それでも、自社ブランドの名前をあえて質問に入れず、顧客が実際にしそうな質問をChatGPTに何度か聞いてみることには意味がある。どのブランドが繰り返し候補として登場するのかを見ていけば、ChatGPTが自社ブランドをどのような競合関係の中で捉えているのか、その一端を知ることができるだろう。

 これからのAI検索では、検索された後に見つけてもらいやすいWebサイトを作るだけではなく、検索が始まる前からAIに思い出してもらえるブランドを作ることが、ますます重要になりそうだ。


上司X

上司X: ChatGPTはWeb検索を始める前から、ユーザーが入力していない企業名や商品名を検索クエリに加えることがある、という話だよ。


ブラックピット

ブラックピット: 最初から幾つかの候補を思い浮かべてから調べることがあるんですねえ。


上司X

上司X: ああ。必ずしもそうでないこともあるようだけどな。でもChatGPTが認識していないと初期クエリには入力してもらえない可能性は高い。初回の検索のときに「思い出してもらう」という感じだろう。


ブラックピット

ブラックピット: いやあ、AIに思い出してもらわないとスタート位置にも立てない可能性があるとは。


上司X

上司X: そういう時代に突入しているということだよ。


ブラックピット

ブラックピット: その上で、AIに引用されるようなページづくりも心掛けるんですよね。担当者の負担たるや……。でもまあ、これまでもSEOの最前線で戦ってきた方々なら、AI検索時代にも対応できるでしょう!


上司X

上司X: ずいぶん無責任なことを(笑)。確かに俺たちとはだいぶ畑違いだから軽々しくは言えないだろうけど、かなりの努力と工夫が必要だと思うよ。


ブラックピット

ブラックピット: それより、僕たちは僕たちで自分のブランド力を上げていかないと! そのうちAIに名前すら思い出してもらえなくなるかもしれませんよ! 仕事に励みましょう。


上司X

上司X: そりゃもっともな話だが、仕事に励むのは普通だからな(笑)。ともかくだ、俺たちの仕事はともかくこれからの企業はAIに選ばれるようなマーケティング施策が欠かせなくなるのは間違いないだろう。自社がAIにどのような企業として認識されているかを確かめながら、顧客や業界からも注目され続ける……。なかなか悩ましいものだよ。

川柳

ブラックピット(本名非公開)

ブラックピット

年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)

昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。

上司X(本名なぜか非公開)

上司X

年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)

中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。


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