「AI OCRは“使えない”と思っていた」AI OCR活用で生産性2倍、残業対策を実現した企業の逆転劇

データ入力業者のノシクミは長時間の残業に悩んでいたが、独自の方法でAI OCRを活用した結果残業が大幅に減り、生産性が2倍になったという。

 アナログデータをデジタル化する手段としてAI OCRがある。一方で既存のAI OCRユーザーからは「文字認識の精度が低い」「確認作業の手間がなくならない」といった声が聞かれるのも事実だ。

 データ処理などのBPO事業を展開するノシクミは大量のデータ入力業務を抱え、業務を効率化する目的でAI OCRを導入した。しかし、AI OCRを活用しはじめた当初は、くずし字のような手書き文字を読み込めず、文字認識精度は60%程度。「AI OCRは人の代わりにはなり得ない」と諦めかけたという。

 ところが同社は、複数のAI OCR製品の試行錯誤をへた結果、高い精度を維持しながら低コストで入力業務を効率化する独自の活用方法を編み出すことに成功した。残業時間は大幅に減少し、生産性は2倍になったという。ノシクミの鳥養純一氏(代表取締役)がAI OCR導入の経緯と活用方法、成果を語った。

海外製AI OCRを導入して挫折するが、残業対策のため再挑戦に乗り出す

ノシクミ 鳥養純一氏

 ノシクミは主にデータや画像を処理するBPO事業を手掛ける企業だ。データ化事業ではAI OCRを活用して、月間10万枚に上る紙帳票のデータを処理している。

 東京と沖縄、ミャンマーに拠点を持つ同社は、ミャンマーで採用した人材を活用する目的で2015年頃からデータ化事業を開始した。しかし「成果を求めすぎた反動で従業員が手を抜き、ミスが多発する事態に陥った」(鳥養氏)ため、OCR製品の導入に踏み切る。

 初めは無料のOCR製品「Tesseract」を導入したものの、ボックス内の文字認識にやや難があった。そこでノシクミは「Google Cloud Vision API」や「Amazon Textract」「Azure Computer Vision」といった海外製のAI OCR製品を導入し、これらの製品を入力データの確認作業に利用することにした。

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