商船三井がiPaaSで巨大レガシー基幹システムから脱却 3年間の苦労と工夫を担当者が語る

商船三井は2019年11月から3年間かけて基幹システムを刷新し、2022年4月に利用を始めた。新システムのデータ連携基盤には、InformaticaのAI搭載データマネジメントクラウド「Intelligent Data Management Cloud(IDMC)」を採用した。どのような苦労があったのか。

 商船三井グループでは、部門ごとに導入していた複数のシステム同士をオンプレミス環境で接続していたが、変環境変化へのスピーディーな対応や、システムの維持、管理にかかるコストが課題だった。

 そこで同社では2019年に基幹システムの刷新に乗り出し、自動車船管理システムや燃料調達システムといった中核システムをSaaSに移行させると同時に、iPaaS(Integration Platform as a Service)を使ってそれらのデータをリアルタイムで連携させる仕組みを構築した。

 新基幹システムの導入経緯や稼働後の状況について、商船三井の100パーセント子会社であり、商船三井グループのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を担う商船三井システムズの片濱和彦氏(DXテクニカルプール・プロセスアーキテクト&デザイン Associate General Manager)と右田卓氏(DXテクニカルプール・プロセスアーキテクト&デザイン SURF技術運用保守チーム コーディネーター)が解説した。

巨大なレガシーシステムが進化の壁に

 商船三井は、さまざまな輸送ニーズに対応する海運業を中心に、フェリーや客船などのB2C事業、不動産事業、社会インフラ事業を展開する。グループ全体で約8500人の従業員が活躍し、世界中で約800隻の船舶を運航している。システムの処理件数は1日当たり1万件強で、今後、さらに増える可能性がある。

商船三井システムズ 片濱和彦氏

 「旧システムは会計重視で、営業支援の機能が十分ではなく、追加機能を開発するにも時間がかかり、業務の変更に対してタイムリーに対応できなかった。定期的にシステムの再構築が必要だったが、その都度多額のコストや大量のリソースが必要なことも課題だった」(片濱氏)

 こうした課題を解決するために、商船三井は業界標準のSaaSを導入し、徹底した業務の標準化を進めた。どのような方法をとったのか。

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