成功か失敗か? ERP導入後にチェックすべき「8つのポイント」
ERP導入後の監査は、ERPがうまく機能しているかどうかを判断する助けになる。プロジェクトリーダーが監査を成功させるためには8つのステップが重要だ。
ERP導入において、企業リーダーをはじめとする主要なステークホルダーはソフトウェアが期待通りに機能しているかどうかが気掛かりだろう。監査を実施すれば、導入が成功したかどうかを知る手掛かりになる。
プロジェクトリーダーは監査を通じてERP導入の詳細を理解することで、「導入がうまくいった点」「要件の見落とし」など、次のソフトウェア導入に生かせる知見を蓄積できる。また、ERP導入後の監査は導入プロジェクトの不十分な点に“どう対処すべきか”といった指針も与えてくれる。
コストも工数もかかるERP導入 本当に効果ありか
プロジェクトリーダーはERP導入後の監査に以下の8ステップを踏むことで、その導入が組織に効果的かどうかを把握できる。
1.会社全体のパフォーマンスを検証する
ERP導入によって、会社全体のパフォーマンスの向上が期待される。これはプロセスの効率化やレポーティング、ダッシュボードの改善などが見込まれるからだ。しかし、ERP導入が与えるインパクトの規模はプロジェクトの範囲によって左右される。例えば、ERP導入計画の第1段階は、第2段階以降の土台となるが、短期的にはごくわずかな改善にとどまる場合もある。
監査を実施することで、当初の計画と比較してERPがどのように機能しているかを確認できる。
2.潜在的なセキュリティ問題を特定する
監査にはERPのコンフィギュレーション(設定)のレビューを盛り込み、データの保存やユーザーとERP間でやりとりされたデータを暗号化するなど、ERPがどのように企業データを保護しているかを検証すべきだ。
監査を行うことで、システムのアクセス管理、特に従業員データのような機密情報にアクセスするための承認について調べられる。
3.データの整合性を評価する
データ整合性の監査には、ERPに保存されている旧システムのデータの調査が含まれることもある。データの整合性を評価することで、ユーザーが受けた研修の成功度やシステムの使いやすさ、プロセスが期待通りに機能しているかなどが分かる。
例えば、複数の従業員が同じミスをする場合は研修に問題があるかもしれない。
4.ワークフローの承認を検証する
監査を行うことで、システムワークフローが価値を高め、ユーザーがそれに従っているかどうかを確認できる。
例えば、社内における承認ルールの整合性を確認したいとする。一定の金額を超える経費について階層的な承認が必要な場合、監査では「承認に時間がかかりすぎていないか」を確認すべきだ。承認に時間がかかりすぎると、マニュアルオーバーライド(手動手続きの優先)につながる可能性がある。これが発生したら、それを行ったユーザーを特定し、その権限があったかどうかを調査すべきだ。
5.財務を監査する
ERPの導入コストはしばしば高額になることがある。予算と実際にかかった金額のレビューも重要だ。
監査では、全ての主要な経費が適切な承認を受けており、プロジェクトに不正な支出がなかったことを確認する。例えば、プロジェクトリーダーや主要なステークホルダーと、プロジェクトに携わるベンダーとの個人的なつながりなどを確かめた方がいい場合もある。
6.主要な要件を評価する
ERP導入プロジェクトにはコストや工数がかかるため、一般的に新しいERPの必要性を正当化するための文書作成が欠かせない。この文書は正式なビジネスケースもあれば、要件定義書で定義されている要件に基づくものもある。
いずれのケースも、監査で実際の導入が主要な要件を満たしているかどうかを評価する必要がある。例えば、在庫管理の改善を目的に新たにERPを導入する場合は、監査報告書で「在庫管理が改善されたかどうか」を確認できる。
7.プロジェクト承認プロセスを確認する
監査では必要な承認が全て得られていることを確認するため、プロジェクト前とプロジェクト中に実行された承認手順のレビューを求められることがある。これに対応するには、ベンダーの選定プロセスを見直し、特定のベンダーや請負業者への優遇を避けるなどの対応が必要だ。
また、プロジェクトが次の段階へ進む前に各節目で精査し、必要な承認を全て受けていたかどうかも確認できる。
初期段階で生じた問題がプロジェクトの進行に重大な影響を及ぼしかねない大規模な導入においては、この確認が極めて重要だ。主要なステークホルダーと節目で状況を共有し合って「プロジェクトが正しい軌道に乗っていること」「チームが主なリスクを適切に追跡し、対応していること」を確認すべきだ。
8.プロジェクトを成功裏に終わらせる
監査では、プロジェクトが会社の方針と手順に従って終了したことを確認すべきだ。このプロセスには、全ての作業文書の最終確認や署名の受領記録、経費が速やかに支払われていることの確認などが含まれる。
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