自治体だって“住民サクセス”を推進する時代へ

顧客体験を向上させる「カスタマーサクセスツール」とは? CRMとの違い、ツール選定の勘所

売るだけでなく、その後の顧客体験も重視される時代になった。そのカギを握るのが「カスタマーサクセスツール」だ。民間企業だけでなく、住民サービス向上のために利用する自治体も増えてきたという。

 サブスクリプション型のビジネスモデルへの変革に取り組む企業が多い中で、従来の営業プロセスに加えて、受注後の継続的なビジネスを支援し、顧客価値の最大化を目指す「カスタマーサクセスツール」が注目されている。既存ビジネスへの適用も進むカスタマーサクセスツールのトレンドを見ていく。

ビジネスモデルの変化で重視されるカスタマーサクセス

 これまで顧客との良好な関係を生み出すためには、CRM(顧客関係管理)を中心としたマネジメントツールがその中心的な役割を担ってきた。現在もそれは変わらないが、これまでの売り切り型のビジネスから、定期的に利用料を支払うサブスクリプション型にビジネスモデルが大きく変化する中で、これまでCRMがカバーしていた商談発生から受注までのプロセスだけではなく、サービスの利用を継続してもらうための十分な支援が求められている。こうして契約後の活動を支えるのが、カスタマーサクセスの領域だ。

 カスタマーサクセスとは、商品やサービスを購入した顧客を能動的に支援し、成功体験を通じて継続的な利用を促し、顧客の生涯価値、いわゆるLTV(Life Time Value)を最大化するための取り組みを指す。もともとカスタマーサポートがその役割を担ってきたが、何らかの問い合わせがきっかけとなって顧客を支援するカスタマーサポートとは異なり、カスタマーサクセスは事業者側が自ら判断して顧客にアプローチする。顧客が利用を開始するために必要なオンボーディング支援や小さな成功体験を積んでいけるような使い方支援など、利用状況に応じて事業者側が能動的に働きかけていく。

 この活動によって既存顧客の満足度を高め、商品やサービスに対する期待値を維持、向上することが可能になる。このカスタマーサクセスがうまく機能しなければ、解約率を低減できずに売上低迷を招き、サービスの存続にも大きく影響する可能性がある。もともとは営業部門が顧客との間に立って実施してきたアフターフォローを強化し、最終的には契約数を増やすアップセルや、別のソリューションの契約につなげるクロスセルのアプローチを含めてカスタマーサクセス部門が担うことになる。

 今ではカスタマーサクセス専門の部隊が編成され、従来のカスタマーサポートは技術の専門部隊としてカスタマーサクセス部隊とともに行動する動きが増えてきている。

住民だってカスタマーだ 自治体やサービス業などでも採用が進む

 SaaSなどを提供するスタートアップ企業では以前からカスタマーサクセスの取り組みが進んでいるが、最近ではカスタマーサポートにより踏み込んで顧客を支援するカスタマーサクセスの考え方が取り入れられつつある。例えばコンサルタントやBPOなどのサービス業では、人材のパフォーマンスを見ながら発注先に対して最大の価値が提供できるように取り組みを進める企業もある。

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