HDDの故障率が3分の1に激減? データから読み解く、寿命が劇的に伸びたワケ

Backblazeは大量のHDDを13年間にわたってデータセンターで運用してきた。同社が故障率の傾向を詳細に分析した結果、HDDは一般の工業製品の故障傾向に当てはまるバスタブ曲線に従わないことが分かった。これはなぜなのだろうか。そして、HDDを運用する情報システム部門にとって何を意味するのだろうか。

 キーマンズネットは、HDDやSSDなどを数十万台規模で運用するBackblazeのHDD統計を定期的に紹介してきた。HDDの故障率について、四半期ごとや通年など、ブランドや製品ごとの実績を見てきた。

 2025年10月15日、Backblazeはこれまで異なる情報を公表した。13年間の運用実績を通して、HDDの故障パターンを分析した結果だ。

 Backblazeの問題意識は「HDDは本当の工業製品と似た故障パターンを示すのか」ということだ。ここでいう故障パターンとはバスタブ曲線のことだ。製品の導入時には初期故障が多く、これは次第に少なくなっていく。利用期間がたつにつれ、機械の摩耗などによる故障が増えていく。中間では初期故障も摩耗も少ないため故障率が低くなる。これらを合わせると故障率は「U字形」(西洋風のバスタブの形)を示すという考え方だ。

ハードウェアの故障率を表したバスタブ曲線(青い実線) 縦軸は故障率、横軸は期間を表す。横軸で3つに分けられた期間は、左から「初期故障期」「偶発故障期」「摩耗故障期」と呼ぶ。3つの期間に分かれる理由は、故障の原因が3つ(初期故障:赤い点線、摩耗故障:黄色い点線、ランダムな原因による故障:緑色の実線)あり、その和が実際の故障率になることを示している(出典:Wikimedia Commons、パブリックドメイン画像

 HDDの正確な故障パターンを理解できれば、HDDの運用計画はもちろん、予算申請のタイミングなどにも役立つはずだ。

 ではHDDは実際にどのような故障パターンを示したのだろうか。結論から言えばバスタブ曲線とは異なっていた。故障率は予測不能な落ち込みを見せたり、急上昇したり、停滞したりした。

 バスタブ曲線の考え方は本当に間違っていたのだろうか、間違っていたとすればなぜだろうか。

HDDはいつ壊れ始めるのか? データが示した「本当の寿命」

 以下ではBackblazeが運用してきたHDDの故障パターンについて分かったことを紹介する。

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