「不便だ」「それはわがまま」 開発 vs. 情シスバトルの状態から協力関係を築けた話

NTTドコモビジネスは社用PCの仕様変更をする際、現場サイドと情シスがぶつかってしまった。そんな状況から各部門が協力関係を構築できたエピソードを、同社の小林泰大氏が語った。

 NTTドコモビジネスは2018年に、社用PCの仕様変更に向けて部門横断の取り組みを実施した。しかし、開発部門と情シスがぶつかり、このプロジェクトは荒れてしまった。

 同社の小林泰大氏(社内認証基盤プロダクトオーナー)は2025年11月に開催された「Business Technology Conference Japan」で登壇し、当時の状況と、プロジェクトが“いい方向”に進むまでの道のりを語った。

便利で不自由な事務PC、自由で不便な開発PC

 小林氏は同社の研究開発部門で長年セキュリティなどを担当してきた。2025年にはセキュリティ部門に異動し、現在は社内認証基盤の開発に従事している。社内のサイドワークとして、コロナ禍に「リモートワークハンドブック」の共同執筆を手がけたり、開発者ブログを執筆したりしている。

 同社は「事務PC」と「開発PC」の2種類に分けて従業員向けPCを管理していた。事務PCは社員が日常の業務で使うアプリが搭載されており、強固なセキュリティで守られている。「この事務PCが整備されていたおかげで、2020年のコロナ禍で他社よりも早くテレワークに移行できたのは、当時の情シスの貢献によるものと考えています」と小林氏は語る。

 一方の開発PCは、事務PCでは対応が難しいエンジニアのニーズに応えるための構成で、管理者権限が必要な作業ができるなど自由度が高い代わりに、社内ネットワークへのログインや、業務用のアプリの使用が認められていなかった。

 その結果、開発部門のエンジニアは社内のコミュニケーションや事務的な業務は事務PC、メインの開発業務は開発PCを使うという2台持ちが必要だった。開発部門に所属していた小林氏も、これに不満を抱えていた。

ぶつかり合いから協力ムードに

 この状況を変えるため、開発部門と情シスとの間で対話の場を設けることになった。実は開発部門では過去に人事部門との「対話」をしたことがあり、それを覚えていた部内の有志が今度は情シスとの対話の場をセットしたのだ。

 小林氏が内心ハラハラしながらも参加してみると、案の定、対話の場は荒れてしまった。エンジニアが「2台持ちは不便なので、1台にしたい」というと、情シスのマネジャーからは「それはエンジニアのわがままだ」と返され、互いに引かない状態。平行線のまま閉会した。

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