「修正済み」のはずだが? Fortinetを巡る脆弱性情報が招いた混乱
Fortinetの「FortiWeb」における脆弱性対応が混乱を招いている。同社が示した修正対象とセキュリティ企業が指摘した対象が異なっていることや、Fortinetが「サイレントパッチ」を実施したことが原因だ。
FortinetのWebアプリケーションファイアウォール製品「FortiWeb」について脆弱(ぜいじゃく)性情報が混乱を招いている。
Fortinetは2025年11月に、相対パストラバーサルの脆弱性「CVE-2025-64446」(注1)と、OSコマンドインジェクションの脆弱性「CVE-2025-58034」が実際の攻撃で悪用されていることを確認した(注2)。同社はこれに対応したものの、セキュリティ研究者によればFortinetの対応は不十分なのだという。
「修正済み」のはずだが? Fortinetを巡る脆弱性情報が招いた混乱
なぜなら、この2つの脆弱性が悪影響を及ぼすFortiWebのバージョンがFortinetの公開情報と食い違っているからだ。
脆弱性管理などのサービスを提供するRapid7の研究者は2025年12月1日(現地時間、以下同)に、これらの脆弱性がこれまでに知られていたものよりも古いFortiWebのバージョンにも存在していることを明らかにした(注3)。
CVE-2025-64446への対応に関するFortinetのガイダンスでは(注4)、7.0.0~7.0.11と8.0.0~8.0.1の各バージョンが脆弱だとされていた。
Rapid7のスティーブン・フューアー氏(プリンシパルセキュリティリサーチャー)は(注5)、サポート対象外になっているFortiWeb 6.xの旧バージョンもCVE-2025-64446とCVE-2025-58034の両方で脆弱だということを突き止めた。
Rapid7の研究者は「FortiWebの旧バージョンを直接狙った脅威活動は現時点で確認されていないものの、顧客には通知済みであり、サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)はこれらの脆弱性を、悪用が確認されたものをまとめたKEVカタログに追加した」と述べた(注6)。
サイレント対応も良くなかった
Fortinetは2025年10月にCVE-2025-64446が最初に公表された後、サイレントパッチを提供したことで広範な批判を受けていた(注7)。マネージドハニーポットインフラサービスを提供するDefused Cyberは不審な活動について解説するブログ記事を同年10月初旬に公開した。
サイレントパッチとは、公式なガイダンスやCVE番号を提供しないまま修正プログラムを公開する対応のことだ。製品を利用する企業のセキュリティチームは何を確認すべきかについて、指針を得られず、実際のリスクがどの程度なのか、またどのように対策を優先すべきかを把握できない状況に置かれる。
Rapid7のライアン・エモンズ氏(スタッフセキュリティリサーチャー)は、『Cybersecurity Dive』に対して「今回のケースではCVE番号が発行される前に、実際の攻撃への悪用が確認されており、これは防御側にとって不利な状況だ。新しい脆弱性が公表された際のプロセスやトリアージの手順の多くはCVE番号に依存しているからだ」と語った。
出典:Fortinet FortiWeb flaws found in unsupported versions of web application firewall(Cybersecurity Dive)
注1:CVE-2025-64446 Detail(NIST)
注2:CVE-2025-5034 Detail(NIST)
注3:CVE-2025-64446: Critical Vulnerability in Fortinet FortiWeb Exploited in the Wild(RAPID7)
注4:Path confusion vulnerability in GUI(FortiGuard Labs)
注5:Stephen Fewer(X)
注6:Fortinet Releases Security Advisory for Relative Path Traversal Vulnerability Affecting FortiWeb Products(CISA)
注7:Researchers warn command injection flaw in Fortinet FortiWeb is under exploitation(Cybersecurity Dive)
© Industry Dive. All rights reserved.
Cybersecurity Dive
米国でビジネスジャーナリズムに特化した記事を掲載するIndustry Diveの、セキュリティ系連載「Cybersecurity Dive」の記事一覧です。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
C言語は「危険」と言われても、専門家が「使う価値は十分にある」と言うワケ:900th Lap
-
2
M365 Copilot全庁展開で月2000時間削減 現場がAIを「使いたくなる」習慣化の仕組み
-
3
損保ジャパン、2万人の「Gemini活用」どう管理? 推進者が語る「リスク回避」の仕組み
-
4
かんぽ生命が営業報告を50分→10分に AI時代に見直すべき「データ入力」の仕組み
-
5
6TBファイルのサーバ移行、M365ユーザーの八雲町がSharePointでなく「あえてBox」の理由
-
6
Claude Codeに「仕事を丸投げ」して事故らないための基本運用ルール
-
7
「Claude」3倍高速化の裏で、Anthropic開発者が「あえてしなかったこと」:899th Lap
-
8
7歳からのLinux愛好家が、なぜ今「Windows」に? OSの見方が変わった理由:896th Lap
-
9
「AIに聞いても答えない」を解消 freeeが進めるデータ連携の最新戦略
-
10
自治体、企業で進む「Google回帰」 事例で分かる「Gemini Notebook」の活用アイデア
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー