7つのITトピックス 2026
大企業がこぞって使うM365 CopilotとChatGPT、業務への貢献度は? 生成AI利用状況を徹底調査
企業の生成AI活用は今、どこまで進んでいるのか。規模や業種で明暗が分かれた現場の活用実態を、読者調査の結果を基に解説する。
今回、キーマンズネットではIT現場の第一線で働く読者を対象に、勤務先におけるソリューションの活用状況や課題に関するアンケートを実施した(実施期間:2025年11月26日~12月24日、有効回答数:408件)。そこで得られた回答を数回に分けて紹介する。第3回のテーマは「生成AI」だ。
大企業中心で進む生成AI利用
まず、生成AIサービスおよび生成AI機能を持つ製品の利用状況を聞いたところ、全体の47.5%が「利用している」と回答した。従業員規模別に見ると、従業員5001人以上の企業に所属する人の64.9%が「利用している」と回答した一方で、500人以下の企業に所属する人では3割程度にとどまっている。
利用状況を業種別に見ると、当然ながらIT関連業では利用者が多い(67.3%)。その他の業種の中では製造業(44.0%)やサービス業(48.7%)では一定の割合で利用されているが、流通や医療、教育などの業種では2~3割程度となっており利用が進んでいない。
よく使う/業務に貢献した生成AIランキング
では、「ChatGPT」や「Gemini」「Microsoft 365 Copilot」など、生成AIサービスは実際どの程度利用されているのか。生成AIサービスを「利用している」「試験利用中」と回答した人に、利用しているサービス名を聞いたところ、企業規模によって明確な差が出た。
まず、サービス別利用率のトップ5は以下の通りだ。
生成AIサービス利用状況 トップ5
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1Microsoft 365 Copilot:51.5%
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2ChatGPT(企業向けプラン):35.4%
-
3Gemini(Google Workspaceでの利用):22.3%
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4ChatGPT(個人向けプラン):21.2%
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5Gemini(個人向けプラン):15.7%
これを従業員規模別に見ると、大企業ほどMicrosoft 365 CopilotとChatGPT(企業向けプラン)の利用率が多いことが分かった。一方、中堅・中小企業ではGemini(Google Workspaceでの利用)や、ChatGPT/Geminiの個人向けプランの利用が多い。企業規模によらず、Microsoft 365やGoogle Workspaceなど既存の業務ツールに付加された生成AI機能を利用するユーザーが多いようだ。
従業員5001人以上の企業では「自社開発の生成AIサービス」という回答が15.3%にのぼり、大企業を中心に生成AIサービスの内製も進んでいる。AIエージェント構築やガバナンス機能を強化した「Gemini Enterprise」も大企業を中心に利用が進んでいるようだ。
では、これらのサービスは本当に業務効率化に貢献しているのか。生成AIサービスを「利用している」「試験利用中」と回答した人に、業務効率化に最も貢献したサービスを聞いたところ、1位はMicrosoft 365 Copilot(32.5%)、2位はChatGPT(28.8%)、3位はGemini(17.9%)となった。特に大企業ではMicrosoft 365 Copilot、中堅・中小企業ではGeminiが評価されているようだ。ChatGPTの人気は企業規模によって大きな差はない。
生成AI利用、ココでつまずいた……を聞いてみた
生成AIの利用における失敗経験についても聞いたところ、「プロンプト作成のノウハウが足りなかった」(36.8%)、「導入目標やKPIを定めておらず、成果を評価できなかった」(21.3%)、「アウトプットの精査に時間がかかった」(18.4%)などに票が集まった。従業員数500人以下の企業では「導入にかかる予算を捻出できなかった」を選ぶ人も多く、中堅・中小企業において生成AIの利用が進まない要因の一つになっていると思われる。
ChatGPT登場によるブームも一服し、企業は生成AIに具体的な成果を求め始めている。これまでは導入予算が確保できていた製品も、工数削減や売り上げ向上に貢献できていないと見なされれば予算が削減される可能性もある。今一度、生成AIの導入によって自社が実現したいことは何かを明確にして、その効果を測れるようにしておきたい。
今となっては少数派であるが、生成AIを利用しない人に対してその理由も尋ねた。「スキルを持った人がいない」「利用したい業務がない」「予算がない」が上位に挙げられ、特に従業員数100人以下の企業でこれらの課題が浮き彫りになっている。先述したように、中堅・中小企業ではChatGPTやGeminiの個人向けプランの利用が多い現状がある。個人向けプランでは入力データの学習利用が許可されているなど、企業での利用には向かない可能性がある。情報漏えいの防止やコンプライアンス対策のためにも、従業員の利用実態を調査し、ガバナンスが効いた形での利用を進めたい。
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