情シスがトップに突きつける「とりあえずAI」への処方箋(3)

「それIRに書けますか」 AI導入プロジェクトを成功させる目標の立て方

企業トップの「AIを導入しよう」という一声が、なぜ現場を困らせるのか。なぜAIシステムの本格稼働はわずか約5%しか実現できないのか。AI導入を成功させるための目標設定の方法と技術選定の考え方について考察する。

 本連載ではこれまで、AI導入が思うように進まない理由を考察してきた。企業トップの「AIを導入しよう」という一声が、なぜ現場を混乱させるのか。そして、AIシステムの本格稼働がわずか約5%にとどまる背景とは何か。

 最終回となる本稿では、経済産業省の研究会にも招かれるデータサイエンティスト、原田博植氏に、AI導入を成功させるための目標設定の方法や技術選定のポイントについて話を聞いた。

企画について:情シスがトップに突きつける「とりあえずAI」への処方箋

 生成AIブームの中で、「AIを導入した」という事実そのものが企業のアピール材料になっている。一方で現場には「AIで何かやれ」という抽象的なミッションが……。また、KPIが「AI導入」「AIで効率化」技術導入が目的化し、本来の課題が置き去りといった構造的な問題が発生している。これは生成AI特有の問題ではなく、RPAやクラウドシフト、DXなど、過去の技術ブームでも繰り返されてきた構図だ。本企画では、トップと現場の「目的のズレ」に焦点を当て、失敗と成功の分岐点を提示する。

第1回 「生成AIで何とかして」に振り回される現場と経営層とのギャップ

第2回 「PoCで見送り」はむしろ成功? ムダな生成AI活用プロジェクトの“正しい止め方”

それIR資料に書けますか? AI活用の目標設定

 AI関連の取材や調査をしていると、「KPIの解像度が低く、『生成AIを導入する』だけになっている」「ROIの立て方が分からず、効果測定をしていない」といった声をよく耳にする。一般的な技術やツールであれば、ROIを設定せずに導入することは考えにくい。

 原田氏は「目標ROIを設定することは、プロジェクト失敗を防ぐブレーキにもなります」と語る。それはなぜか。

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情シスがトップに突きつける「とりあえずAI」への処方箋

生成AI導入という手段自体が目的化している。トップと現場の「目的のズレ」に焦点を当て、失敗と成功の分岐点を提示する。

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