スマホで撮影、AIがマニュアル化 令和のノウハウ継承は「自動生成」が新常識に?

業務の暗黙知化したノウハウを可視化するための手段としてこれまで使われてきた「マニュアル」は、AIエージェントが注目される昨今でもなお重要な役割を担っている。AIが発達した今だからこそ知るべき、マニュアルの使い方とは。

 「マニュアル」は製造業ばかりでなく、暗黙知となりがちなノウハウを可視化し、組織全体で活用するための重要な情報資産だ。

 AIエージェントの活用が進む現在、その性能を最大限に引き出す上で、社内に蓄積された情報資産の整備と活用が重要性を増している。ベストプラクティスを過不足なく、オーソライズされた形で保管し適時に更新できる電子化されたマニュアルは、AIの知識ベースの一部としても重要な役割を担っている。本稿では、現代的なマニュアル作成の在り方とマニュアル運用のポイントをまとめていく。

動画、モバイル、AIが変える「ナレッジ共有」の現在

 業務のデジタルシフトが進む中、従業員同士の即時的なコミュニケーションや一時的なナレッジ共有は、チャットや情報共有ツールの普及により大きく効率化されてきた。その一方で、現場の業務手順やノウハウが分散し、属人的な知識や独自の手順が混在することで、セキュリティやガバナンスのリスクを招くことが課題となっている。

 また、システム化により業務手順の標準化が進んだ一方で、増え続ける業務量に対してシステムの操作法を正しく周知させることが難しくなり、作業サポート負荷の増大や操作手順ミスの発生など、業務を滞らせる要因も顕在化した。

 業務を基本的なルールやポリシーに準拠して安全に実行するための方策として、「マニュアル」がある。

 マニュアルには各種業務に最適なベストプラクティスや必須知識が整理されて詰め込まれている。定められた手順に従うことで、ミスを防ぎつつ効率的に業務を遂行し、セキュリティやガバナンスを確保できるよう設計されている。

 このようなマニュアルを組織の知識ベースとして活用することで、業務特化型のRAGを構築し、AIエージェントがユーザーの質問に対して、ベテラン社員のように精度の高い回答を返すこともできる。業務手順に関して、どのような情報源よりも、正確で偏りなく、リスクを生まない情報源となり得るのがマニュアルだ。

 マニュアルと言えば、かつては紙の印刷物が主流だったが、現在ではPDFやWebサイト、あるいはモバイルアプリ用の電子マニュアル(動画も含む)に取って代わりつつある。現場から離れることなく、モバイルデバイスでその場で参照して手順を確認したり、動画によって細かな作業手順や「コツ」を習得したりと、従来の紙のマニュアルでは実現できなかった活用が広がっている。

「ベテランの感覚」 言葉にできないノウハウをどう可視化するか

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